オーストラリアには、日本の消費税に当たる GST (Goods and Service Tax)と呼ばれる税金があります。品物を購入したり、何らかのサービスを受けた場合、その価格の10%を税金として支払わなければなりません。このGSTを支払わずに商品を購入できるのが、免税(TAX FREE)システムです。
この免税のシステムを利用できる条件として、その品物をオーストラリア国外に持ち出すことが必要です。つまり、皆さんのような海外からの旅行者の方や、海外旅行に出かけるオーストラリアの人達の特権なのです。
それでは実際どのようにして、10%もの税金を支払わずに品物が購入できるのでしょうか ?
方法はふたつあります。
それぞれの方法に長所、短所がありますので、ひとつずつお話していきましょう。
この方法で商品を免税(GST Free)で購入するための条件は、まず、「60日以内にオーストラリアを出国すること」というのがあります。実際は60日以前でも商品は購入できますが、決められた60日前の日にならなければ購入した品物を受け取ることは出来ません。それまでの間、その品物を保管する義務がお店にはありますので、ほとんどのお店は、60日以内に出発するお客様にしか販売をしません。
長期滞在を計画している方は別として、普通の旅行者の方にはこの条件は何ら問題がないと思います。
次にパスポート、航空券(Eチケット、航空券購入時のレシートや控え、あるいは旅行日程表など、出発便名や日時等が記載されているものでも可能)を購入時に提示し、出国の日程等を証明しなければなりません。このふたつの条件をクリアーでき、その店が免税販売の手続きをとっていれば、何ら問題なく免税で購入することができます。
この方法での最大の欠点、短所は、出国まで、その品物を使うことが出来ないということです。
この方法で購入した品物は、たとえ1ドルのチョコレートだろうと、厳重に袋に詰められ、封印され、書類購入時のレシートのようなもの)を添付されて渡されます。
この厳重に封印された袋を、出国の際、空港の出国審査の後あたりで係の人に確認され、添付している書類をはがされて、やっと皆さんはその商品にふれることが出来るのです。
こういう手続きが必要なため、この方法で購入した品物はスーツケースのような、預けてしまう荷物には入れることが禁じられています。全て手荷物にして飛行機内に持ち込まなければなりません。購入してオーストラリア滞在中に使用したい、食べてみたいなんて品物は、この方法で購入することは出来ません。
この方法で品物を購入する際、書類にサイン(署名)を求められます。このサインは、皆さんが「規則を守って袋を開封せず、国外へ持ち出す」ことを誓う宣誓書のようなものです。もし袋を開封して中の品物を使用してしまったり、スーツケースに入れてしまい、添付の書類が回収されなかった場合、高額の罰金(最高5千ドル、約50万円)あるいは、12ヶ月以内の禁固刑に処される場合がありますので、注意して規則を守るようにしてください。
この方法の長所は、
税金分のオーストラリアドルを別のことに使用できる。
空港で返金手続きが必要ない。
逆に短所は、
品物をすぐに使えない。
封印された大げさな袋を持ち歩かなければならない。
オーストラリア滞在中に購入した品物のレシート(Tax Invoice)が、ひとつの店から300ドル以上(税金込みで)のお買い物に対し、その際、支払った税金を、空港の返金窓口で返してもらう方法です。
この方法も「方法 1.」と同様に、60日以内という規定は変わりません。いちばんの大きな違いは、購入した品物を、オーストラリア滞在中にも使用できること、そして、「方法 1.」とは違い、免税販売の手続きをしていないお店からでも、つまりはどんなお店から購入した品物にも適用されることです。ただし、その品物を国外に持ち出すことを確認されますので、食品などを購入して食べてしまった場合は、免税の対象にはなりません。
実際の手続きとして、購入する時は普通の買物となんら変わりません。代金を支払い、品物を受取るだけなのですが、この際必ず店名や購入日の記載されたレシートを受取り、保管しておきます。オーストラリア出国の際、出国検査が済んだ後、「TRS (Tourist Refund Scheme)」と書かれた窓口へ行って、購入した品物、レシート、その他パスポートや搭乗券を係員に見せて返金の手続きをします*。
* 受取る方法は、オーストラリアドル建ての銀行為替、またはチェック、あるいはクレジットカードをお持ちであれば、そのカードに返金という方法もあり、この場合はもちろん日本円に換算され、皆さんのカードに返金されます。
この方法の長所は、
品物をすぐに使える。
どこのお店からも買物にも適用される。
逆に短所は、
購入額が300ドル以上の場合のみ適用される。
ご覧のように、どちらの方法も一長一短、どちらを選ぶかは皆さんのお好みでどうぞ。
シールドバッグ メッソドに対応してくれるお店がほとんど無く、現在ではTRSが主流になっています(2023年1月)。
あらかじめこちらのサイト(My TRS Claim)で登録をすることをおすすめします。