私たちのウエッブサイトやこのブログに初めて来てくださる方々の中で、一番多いのが「ブラックオパールとボルダーオパールの違い」について検索をして訪問される皆さんです。
そこで、今日はあらためて、このふたつのオパールの違いについて、お話をしてみたいと思います。
まずその最大の違いは、オパールが形成される環境です。
これは産地と言い換えることも出来ますが、たまたまオパールが出来る過程で、どのような環境下にあったのか? それが違いを生み出します。
上の写真、左がボルダーオパール、右がブラックオパールの、それぞれ裏の面です。
この裏面の様子が、それぞれのオパールが形成された環境を、そのまま表しています。
左のボルダーオパールは茶色い鉄鉱石が裏に残っています。
一方、右のブラックオパールは黒い“ポッチ”と呼ばれる母岩が残っています。
この裏を見るという事が、ブラックとボルダーを見分ける、まず第一のポイントです。
これはボルダーオパールの原石です。
茶色い石、鉄鉱石の表面や亀裂の間に、美しいオパールを見ることが出来ます。
そして、こちらはブラックオパールの原石です。
白い砂岩の間に、黒い筋(ポッチ)が見えます。
実際は、この黒い筋、ポッチの中にオパールが形成されています。
ボルダーオパールの方は、たまたま周りの環境に鉄鉱石が多く存在した為、
ブラックオパールの方は、たまたま周囲に黒っぽい粘土層が多く存在した為に
それぞれ、その影響を受けて形成された。
これが両者のもっとも大きな違いです。
鉄鉱石が多く存在した環境、それが、現在ボルダーオパールの主産地となっているクイーンズランド州のWinton(ウイントン)やQuilpie(クィルピー)などのエリアで、一方黒っぽい粘土層が多く存在する環境、それが、世界で唯一の産地 Lightning Ridge(ライトニングリッジ)なのです。
もちろん世界中を見渡してみれば、鉄鉱石の存在する環境や、黒い粘土層が存在する環境は他にもあります。
ただ、そうした環境条件に、もっと特殊なオパールが出来る環境が偶然重なり合ったのが、先程のオーストラリアの限られた産地なのです。
“ボルダー(Boulder)”とは「岩の塊」という意味です。 つまり、鉄鉱石の塊の中に出来る為、ボルダーオパールと呼ばれます。
一方、ブラックオパールは、その母岩となるポッチが黒い為、ブラックオパール、つまり黒オパールと呼ばれるのです。
左がボルダーオパール、右がブラックオパールです。
どちらも上質なオパールで、色合いだけを見れば大きな違いはありません。
ただ、ボルダーオパールの場合、隙間にもぐりこんだオパールを磨きだしてくる為に、右のブラックオパールのように形を整えて研磨することが難しく、不定形な外観と波打ったような表面の凸凹が見られることが多くなります。
ただし、もちろんボルダーオパールにも、上で見ていただいた裏側の写真のもののように綺麗な楕円形で研磨されるものもありますし、ブラックオパールも最近では産出量が激減している為、歩留まりの悪い(無駄に削り落としてしまう部分が多くなる)定型に研磨するよりはボルダーオパールのように不定形にカットし、できるだけオパール部分を残す場合が多くなってきていますので、一概に形だけでは判断は出来ません。
産地や原石、そして裏面の違い以外でボルダーオパールとブラックオパールの違いを揚げるとすれば、
ブラックオパールの方がボルダーに比べて遊色効果が大きい(激しい)
ボルダーオパールの方がブラックに比べてフラッシュが強い(強烈)
そんな“一般的”な違いは言えると思いますが、これもやはりそれぞれのオパールの質により違ってきますので、100%の答えとはなりません。
ボルダーオパール、そしてブラックオパール。
どちらも、その産出量は近年激減、まさに、本当に、激減しています。
他の宝石には無い色合いと、遊色効果という特徴。
楽しむことが出来るのも、いつの日までなのでしょか?
オパールについて、もっと詳しく知りたい! そんな方は、オパール豆知識を読んでみてください。
追記;ブラックオパールとボルダーオパールの違いについて、簡単な動画にしてみました。
オーストラリア産ブラックオパールとボルダーオパールの違いと見分け方 Part 1
オーストラリア産ブラックオパールとボルダーオパールの違いと見分け方 Part 2
今日は真夏の様な暑さのゴールドコーストです。
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