研磨した人の苦労、そして一生懸命さが伝わってくるようなオパールです。
出来るだけ削らず、可能な限り削り落とす。
矛盾しているこの命題への挑戦こそ、オパール、特にブラックやボルダーオパール研磨にたずさわるものの宿命でもあり、腕の見せ所でもあります。
出来るだけオパールを残したいんだけど、余分なインクルージョンや母岩などは取ってしまいたい。
数百万年の時間がはぐくんだオパールの、一番美しい姿を表現してやる。
なかなか根気と集中力の必要な作業です。
ちょっと目を放したすきに、ほんの0.1mm深く研磨しすぎてしまったため、全てを無駄にしてしまう可能性も。
緊張する瞬間。
画像のブラックオパールは、俗にクリスタルブラックあるいはセミブラックと呼ばれる透明感の高いオパールですが、まさに研磨師の努力と工夫がしのばれるシェープが特徴的です。
美しく磨きこんだ表面。
凹凸の部分、穴を掘りこんだような部分が、全体の遊色に個性を持たせています。
そしてクリスタル特有の澄んだ色合い。
照明があたらない状況で見せる発色の強さ。
このオパールをどのようにジュエリーに生まれ変わらせることが出来るか?
ここからはデザイナーの出番、責任です。
今日も晴れたり曇ったりのゴールドコーストです。