オパールだけじゃない
歴史が隠されています 。。。
オーストラリアの内陸で採掘をしていると、オパール以外にいろいろなもの、地球の歴史を感じることのできるものに触れることがあります。
オパール化した貝の化石や珪化木などは、これまでもご紹介してきましたが、それ以外にも、
こんな化石や、
こんな化石、
そして、
こんなものも
ボルダーオパール産地で有名な Wintonは恐竜の化石が見つかることでも、その名前を知られています。
鉱夫たちもオパール採掘の傍ら、そんな化石や珍しい鉱物などを自分のコレクションにして、荒野でのひそやかな楽しみにしている者が少なくありません。
そんな鉱夫のひとりから譲り受けたものがこれ!
ストロマトライトの化石です。
ご存知の方も多いかと思いますが、「 ??? 」な方のために簡単にご説明を、
ストロマトライト、Stromatoliteとは、今から5億年~27億年くらい前の先カンブリア紀に繁栄したシアノバクテリア(藍藻)の群落の化石です。
このシアノバクテリアが、一所懸命に光合成をし、地球上に酸素をつくりだしてくれたことで、現在のような生命の広がり、発展をもたらした、いわば我々人間にとっても大恩人(?)です。
そんなシアノバクテリアが集まってつくられたこの群落、サンゴ虫が作るサンゴ礁のようなもの、とお考えいただければわかりやすいかと思います。
地球最古の化石とも呼ばれるストロマトライトですが、小さく削られ研摩されたものや、スライスして磨かれたものは時折見受けられますが、今回のものはひとつの群落の塊です。
シアノバクテリアの生活環の証でもある、特徴的な成長線がとてもハッキリと観察できる標本で、なかなかこれだけのものは日本では手に入れにくいのではないでしょうか?
Top Spring (トップスプリング)郊外(と言っても荒野のど真ん中ですが)で発見された、5億年以上前の化石。
鉱夫たちの手を渡り、そして最後には私のところへ、日本へ。
1660gの重さを感じつつ、その歴史に思いをはせると、
これまたお酒が進んじゃう!
オパールではありませんが、ご興味のある方、是非ご覧になってみてください。
Stromatolite (Conophytum basalticum) from Top Spring, NT, Australia
Wintonでは、ごみ箱も恐竜です。。。