べレムナイト(Belemnite)とは、白亜紀末にアンモナイトや恐竜たちと同様に絶滅してしまうまで、広いエリアに生息していた頭足類の仲間です。
今でいう“ コウイカ ”に近い生物、だそうです。
© Dmitry Bogdanov
その姿はまさに“ イカ ”。
そして現代のコウイカの殻と似たような内骨格を持っていました。
ただ、現代のコウイカと違うのは、
触手に吸盤ではなくとげを持っていたこと
殻(内骨格)が板状ではなく、流線型の筒であったこと
アンモナイト同様、日本はもちろん世界中の海に生息していた生物ですので、その化石も広い範囲で発見、採掘されます。
そして場所はオーストラリア
いくら日本語で検索しても、結果上位には表示されない
そんな古の海、エロマンガ海にもべレムナイトは生息していました。
ただほかの場所と違ったのは、オパールの存在でした。
オパールになったべレムナイトです。
命の途絶えたべレムナイトは、ゆっくりと海底へ沈んでいきます。
その場所の海底は深い泥が積もる、粘土質なエリアでした。
べレムナイトは少しずつ泥に埋まり、長い時間をかけてより深い泥の中へ
そして殻だけになったべレムナイトは、粘土質の地層の中へ埋没していきます。
数百万年の時が流れ、深さ1000メートルの海も地底深くへ沈んでいき、残されたかつての海底は完全に陸上に変貌します。
さらに数百万年の月日が、ケイ素の塊に色を与えていきます。
また数千万年の時が流れ、宝石となったべレムナイトは、ほんの一部の幸運な人類の手元にやってきてくれました。
遊色と透明感のあるオパール化したべレムナイトは、ものすごく希少です。
ロケット型のべレムナイトの周囲には、貝殻も散在しています。
エロマンガ海が残してくれた宝物です。
たまたま私のもとに来てくれた古いコレクション。
その中の一部を、今日はご紹介しました。
これは積み重なった貝殻
太古の海に、思いをはせてください。
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