ホワイト、ブラックともに外見上の変化はありませんでした。一般的にホワイトオパールはブラックの約2倍の水分を含んでいるとされています。ですが、見た目を変えるほど含有水分を蒸発させるには、より高温での処理が必要であり、通常の環境で水分の蒸発を気にしなければいけない、まして水に 浸けてやらねばならない、なんていうことはあまり気にする必要がないと思います。
クラック(ヒビ)が発生するようなオパールは、おそらく生成時、あるいは採掘時に何らかの不安定な要因をすでに持っているのではないでしょうか。
3枚貼りの"トリプレットオパール"に大きな変化が見られました。
今回使用したトリプレットは、上面がドーム型の透明なプラスチック。その下にオパール薄片、そしてプラスチックの台で裏打ちされた典型的なものです。そのオパールとプラスチックの台座の間を黒い接着剤で貼り付けていて、そのため裏から見ると黒い母岩(ブラックオパールを模造)が付いているように見えます。また上面のプラスチックはドーム型をしているので、下に挟んだオパール薄片の模様(斑)を大きく見せ、加えて黒い接着剤がオパールの下に使用されているため、色が濃く表現されています。こうした特長は、ブラックオパールを真似て造られるトリプレットオパールに共通したもので、お土産店や免税店、そして一般のオパール店でも売られているごく普通のものです。
今回の実験で変化したのは、どうやら使用されている接着剤の部分のようで、その変性がトリプレットの色合い自体に変化をもたらしたようです。実験中の焦げ臭いにおいは、おそらくこの接着剤が燃えていた(沸騰していた)のだと思います。
一方、2枚貼りのダブレットに変化は見られませんでした。
今回使用したダブレットは、ボルダーオパールの母岩(鉄鉱石)にオパールをのせた造りのものです。使用しているオパールの厚みもトリプレットよりは厚く、また鉄鉱石を裏打ちとして使用していることが、トリプレットとは違った結果になったのだと思います。もし、使用したダブレットが、プラスチックを裏打ちとして使用したものであれば結果は違ったかもしれません。 いつか、この点は再確認したいと思います。
いかがでしたでしょうか? いたって思いつきな実験でしたが、オパールに対する印象を改めて頂くきっかけになれば幸いです。
一般的に考えられているほど、オパールは、特にブラック・ボルダーオパールは弱い宝石ではありません。お手入れも、たまに柔らかい布で表面を拭いていただければ、それで充分です。 水に浸けたり、乾燥しないように保湿性のある容器に入れておくなどの特別待遇をしてやる必要もありません。
気を使いすぎずに、存分にオパールを楽しんでください。
最後に、今回のような実験は絶対に真似しないでください。念のため。。。
※ これらの記事は、ブログ "Rainbow From Down Under" に掲載したものをまとめて転載したものです。