今日ご紹介するのは裏も表もともに美しい宝石面を持つ“リバーシブル”なブラックオパールです。
人間社会ですと“表と裏の顔を持つ”なんて聞くと、あんまり近寄りたくない、信用できない人と思われてしまいますが、オパールで、特にブラックオパールの場合ではちょっと違ってきます。
ご存知のとおり、一般的なブラックオパールの裏面は黒い母岩が付いていて、遊色は表現されません。極々まれにこのオパールのように、両面に遊色が出る珍しいものが採れることがあります。とくに写真のような両面の表情がまったく違うものは本当に少なく、宝石としても、コレクターズアイテムとしてもとても珍重されます。
偏屈なある日本の鑑別機関は、『裏に黒い母岩が付いていないから、これはブラックオパールではない』なんて意見されることもありますが、地色の濃さ、色合いの深み、そして遊色の素晴らしさは『これがブラックオパールでなければどれがブラック?』と大反論。
宝飾品としてデザインする際には、ちょっと工夫が必要です。せっかく両面に素晴らしい色があるんですから、普通どおり指輪にしたりしてしまうと、それこそ“宝の持ち腐れ”。
石の外縁を上手にベゼルセッティングして、ペンダントヘッド自体が回転してやるように細工をしてあげる等々、デザイナーと職人の腕の見せ所です。
このブラックオパールは、石座が回転して、両面が楽しめるようなリングに生まれ変わり、今でもお求めいただいた方の目を楽しませていることでしょう。
今、手元にこのようなリバーシブルなオパールが無いので、次の出会いを待ち焦がれている毎日です。
今日のゴールドコーストは雨模様です。昨晩から珍しく降り続いている雨も、おそらく午後にはやむのではないでしょうか。