お嫁に行ってしまいました。
もちろんお客さまにオパールをご紹介すること、そして気に入っていただければご自分のものにしていただくこと、それが私の仕事です。
たくさんの商品の中には、それなりに思いいれの深いものがあります。
そんなオパールがお客さまの手に渡ってしまうのは、気に入っていただけた嬉しさ反面、少し悲しくもあります。
以前のエントリーでも書いたとおり、まるでお気に入りの娘を嫁にやるような気持ち。
その嫁ぎ先に可愛がってもらう、大事にしてもらうことを祈りつつ、送り出してやる、父親の気持ちです。
先日ご来店いただいたアメリカはイリノイからのご家族連れ、お母さまと娘さんが共に一目ぼれしてしまったのが、今日の写真のオパールです。
昨年、ライトニングリッジで開催された『Opal Jewellery Design Awards』に出品し、入選したこのペンダントブローチ。
デザイナーのMalayvone Souvannavongと、出展用のオパール選びからはじめ、デザイン、そして完成まで、ずいぶん思い出の多い作品でした。
本当は手放したくなかった。
ですが、お母さまと娘さんのご様子を見ていると、『これは売り物ではありません。』と言えなくなってしまった自分がいて、『このお二人なら、世代を渡って大切にしてくれるのでは、』と、良い嫁ぎ先を見つけた親の気持ちになっていました。
今頃は、お母さんか娘さんの胸元に落ち着いていることでしょう。
またオーストラリアに来ると言っていただいたこのご家族。
その時は、またこのオパールにも再会できるかもしれません。
今日も青空一杯のゴールドコーストです。