好みの問題。

今日ご紹介するのはこんなオパールです。


遊色のたいへん美しいオパール。
この写真をご覧になった全ての方が、『きれいなブラックオパールだ』と思われるでしょう。
ですが、これまた天然ではありません。
このオパール、“ギルソンオパール”と呼ばれている、人工的に合成されたブラックオパールです。
遊色も地色も本物のブラックオパールのようですが、よく見てみると斑の状態に違和感があります。

ギルソンオパール

肉眼で見ても妙なザラツキ感が、ルーペで見ればたちどころにその特徴が見えてきます。
写真でもなんとなくわかっていただけるかと思いますが、斑が“亀の甲羅”のように小さくモザイク状に分かれています。
俗に“Lizard Skin(トカゲ皮)”と呼ばれるこの構造は、ギルソンオパールに特徴的です。
こうした合成宝石も市場に多く出回っていますが、やはり自然が長い年月を掛けて創り上げた天然ものとは価値に雲泥の差があります。

でも合成宝石の良い面もあると思います。
天然石では手の届かない色合いが、合成石であれば手に入る。
そんな価格の安さ、です。
しかし、天然石を持っているという満足感は得ることはできないでしょう。
先日ご紹介したダブレットオパールにしろ、今日のギルソンにしろ、すべてを否定するわけではありません。
人それぞれの価値観は違いますし、お好みも違います。
その本当の姿をわかり、人工の物だということを納得して手に入れられるのであれば、それも良いのではないでしょうか。
私が常にお願いしているのは、日本にも、オーストラリアにもいろいろな業者さんがいて、その業者さんすべてが正直者とは限らない、ということです。
どうぞお気お付けください。

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