“オパールが白濁してしまった”とおっしゃるMさん。
今日はそんなお話を皆さんにご紹介し、ご一緒に考えていければと思います。
先日の記事”電子レンジに入れてみました” を読んでいただいたMさんからこんなメールをいただきました。少々長くなりますがご紹介したいと思います。
八巻様のブログの更新を毎日楽しみにしております。
特に、今回の電子レンジは感動しました。オパールって本当は強い石だったんですね。
それからオパールは信頼出来るお店で購入しようと痛感しました。
実は、私は3年程前に二つのオパールを入手しました。一つは、ホワイトオパールの蛇のカービングで、もう一つは大きなオレンジ色の強いルースでした。
どちらの石も大変高価でして、購入させて頂いたお店のオーナーにも『乾燥に注意をして、よく拭いて、水にも浸けて』とアドバイスを頂いて、言われた通りに実行したところ・・・
オレンジ色の濃いルースのオパールが水に漬けたら物凄く白濁してしまい(オレンジジュースに牛乳を混ぜたみたいでした)、とてもではないのですがアクセサリーに作り変える事も出来ない位、本当に酷い状態になってしまい急いでお店に連絡をしましたら『石があなたの負のエネルギーを吸って変色した』と説明され、石の返品すらも受け付けて貰えませんでした。
あれ以来、オパール購入には抵抗がありましたが、先日、オーストラリアで検索をしていまして、偶然、八巻さんのサイトに出会って、ブログを読んで、またオパールを買ってみようかと思えるようになってきました。
特に、今回の電子レンジは私の中の不安や、心配、わだかまり?みたいな感情を吹き飛ばしてくれました。
今度、オパールを購入したらとことん楽しもうと思いました。
私も悪かったんですよね、オパールに関して知識がゼロ、無さ過ぎでした。これでは、トラブルに遭っても仕方が無い。自分が悪いと思いました。
これからも、色々とオパールのことを勉強させてくださいね。
どうも有難う御座いました。
皆さん、このお話を聞いてどう思われたでしょうか?
Mさんのお話から、白濁してしまったのはオレンジ~赤系の地色を持っているメキシコオパールだと思われます。
ご存知の方もいらしゃるかと思いますが、エメラルドなどで一般的に行われている処理(エンハンスメント)で、石にオイルを浸み込ませることがあります(オイルの浸潤と呼びます)。こうすることによって、内部の亀裂や気泡を目立たなくし、色合いを濃く見せることが出来ます。
Mさんのオパールが白濁してしまった原因を、いただいたメールのみから判断することは不可能でが、おそらくMさんのオパールにはもともと(エメラルドの場合と同じように)オイルを浸み込ませてあったのかもしれません。
こうしたオイルを浸み込ませた宝石を水に浸けたり、超音波洗浄機にかけたりすると、浸み込んでいたオイルが抜けてしまったり、変性したりして石が白くにごってしまうことがあります。
原因が何にせよ、目の前で白濁してしまったオパールをご覧になったMさんの驚きと失望、そして焦りは想像に難くありません。
しかし、私が強調したいのは、Mさんがそのことに関してアドバイス、対応を求めたお店の説明です。
『石があなたの負のエネルギーを吸って変色した』 !!!
こんな説明があると思いますか?
お店側も、おそらくオレンジのオパールに施されていた何らかの処理については知らなかったのではと思います(知っていたら“水に浸けて”という購入時のアドバイスはしなかったと考えます)。
それにしても、『負のエネルギー』とは、、、恐れ入ります。
やれやれ、、です。
長い時間をかけて生み出された宝石を見ていると、確かに何らかのパワー(?)を持っているのではないかと思うことがよくありますし、いろいろな宝石の歴史を見ていくと、太古から人類はそうした宝石の力を信じて珍重してきたのも事実です。
ですが、今回の宝石屋さんのような対応の仕方には、まして『負のエネルギー(しつこくてすいません)』などという説明には納得がいかない、それどころか同業者として恥ずかしさすら感じます。
ネット上でも、実店舗でも、あたかも薬を売るごとく宝石の効能について強調しているところは多くあります。
その全てが100%間違っているとは思いませんが、それだけを前面に出してしまう対応、販売というのはいかがなものでしょうか?
皆さんはどう思われたでしょうか?
今回の電子レンジの実験で、少なくともおひとり、オパールに対する負のイメージを払拭することが出来たようです。とても嬉しく思います。やった甲斐がありました。
最後にMさま。
今回のお話をブログにてご紹介することをご了承いただき、ありがとうございました。
ぜひ、Mさん好みのオパールを見つけてください。そして楽しんでください。
今日も雲は多め。蒸し暑さ倍増のゴールドコーストです。