弊社のショールームには「オパールを売りたいんだけど、、」と、様々な人間が売り込みにやってきます。
実際に自分たちで採掘しているマイナーや、いかにも口だけの自称マイナー、そして「盗品です」、、、と顔に書いてあるような物を持ち込む怪しいヤカラ。
基本的に、そうした売り込みからオパールを買うことはしません。
ですが、そんな人たちと話をしていると、いろいろなことに気付かされたり、思いもしなかったことがわかったりと、決して無駄になることばかりではありません。
昨日売り込みにやってきた、そんな男性ディーラーとの話でちょっと不安になったこと・・・、そんなお話をご紹介します。
・・・・・・・・ 実際は英語での会話です ・・・・・・・・
男性ディーラー(Dとします):オパール売りたいんだけど、興味ある?
弊社(Gとします):どんな種類のオパール?
D:(おもむろにオパールを取り出して)ギルソンオパールだけど。
G:ごめん。うちはSolid(天然)だけしかあつかわないんだ。
D:ギルソンもSolidだよ。
G:ギルソンはSolidじゃないでしょう、合成でしょう。
D:貼り合わせじゃないからSolidでしょう。
G:うちではギルソンはSolidと呼ばないよ。
そんな感じでギルソンについてや天然オパールの現状について話をした後、彼はこんなことを言い始めました。
D:ギルソンでもキレイだし、安いし、黙ってりゃわかんないじゃん。
G:うちはそういう商売はしてません。
D:この前行ったお店はギルソンだってハッキリ言ったけど、喜んで買ってくれたよ。
G:他は他。。。
D:そう言えばその店の人こんなおかしなこと聞いてきたなァ。
G:どんなこと?
D:「ギルソンはどこで採れるの??」って。
G:???????
どうですか、わかりましたか?
そうです。ギルソンというのは合成されたオパール。
「どこで採れるか?」という質問はナンセンスなのです。
つまり、そのお店の人間は、ギルソンをSolid(天然)と思い込んで彼から購入したようなのです。
ということは。。。。。
そのお店では、ギルソンオパールが堂々と天然石として販売されるということ!!
店自体も信じ込んでいるから躊躇も罪悪感もなく、それこそ自信を持って顧客におすすめするでしょう。
ちょっと信じがたい話ですが、そんなことが実際ここゴールドコーストのどこかのお店を相手にあった様なのです。
オパール業界で“Solid”という言葉は、あくまでも“天然”という意味で使われるのが普通です。
ですが、本来の意味は“固体の”とか“ひとつの塊”とか、そんな意味合いもあります。
この意味からするとこのDの言っている「ギルソンもSolid」というのは、あながち嘘ではないことになるのです。
結果として、そのSolidに信じ込まされてしまった店では、前述のように、自信を持って顧客にギルソンを天然として販売することになるのです。
ちょっとゾッとしました。
こんなこと、これまで考えてもみなかった。
売る側のお店も、買う側の顧客も、天然と信じ込んでしまう状況なんて。。。
オーストラリアに来られた経験のある方はご存知のとおり、オパールを販売するお店はたくさんあります。
取り扱っているのがオパールだけの専門店。
大手免税店の中のオパールコーナー。
そして、チョコやぬいぐるみと同じようにオパールを販売しているお土産店。
今回の話がまさか専門店でのこととは考えられないし、そんな知識のない専門店がゴールドコーストにあるとは考えたくありませんが、いくつかのお土産店や免税店がパッと思い浮かびます。
「あそこならあり得る。。。」、、、と。
“ご注意ください。”としか言えない、そんな複雑な気にさせるお話でした。
今日は蒸し暑いゴールドコーストです。