この時期のゴールドコーストには、会社や学校の団体旅行、そして卒業旅行などで日本からたくさんの方々がやって来ます。
たくさんの団体さん、ツアー旅行客の方々がいらしているはずなのですが、街中にはあまり姿を見かけません。
こうした団体旅行は、日本を出発してから帰国されるまでスケジュールがぎっしりと決められ、朝から晩までガイドさんや添乗員さんに連れられて行動しています。
旅行会社が決めた観光地・スポットを、バスに揺られて点と点を移動してまわるようで、ご自分の足で街を歩いたり、ご自分の目でオーストラリアを見る時間を取ることはなかなか難しいものです。
空港に到着し、お金の換金からお土産を購入するお店まで、全てがコントロールされた旅行なのです。
日本国内でも海外でも、旅行会社と何らかの契約をしていないところには行かない、行かせない、それがこうした旅行の本質です。
価格競争の激しい旅行業界では、こうした契約をしている施設やお店からのコミッション(売上に応じた斡旋料)がとても大きな収入源になっています。
以前、オーストラリアの政府機関がこうしたコミッションシステムを見直すべく、旅行者あてのパンフレットを作製し配っていた時期がありました。そこには、いろいろな国の言葉で「旅行者は、自ら自由にお店を選び、品物を購入する権利があり、特定のお店のみを強制されるべきではない」というような記述もありました。
いつの間にかこのパンフレットも配られなくなり、何も変わらず旅行業界は運営されています。
いくらオーストラリアが国を挙げて声高に叫ぼうと、こうしたコミッションのシステムがなくなるとは思えません。
もし法律で禁止したとしたら、旅行会社とすれば、コミッションが見込めないオーストラリアには集客せず、他の国へ顧客を誘導してしまうことでしょう。
観光が大きな産業であるオーストラリア。
そこまで旅行会社に逆らうことは出来ないはずです。
そんなわけで、こうした旅行者の皆さんは、換金にせよお買物にせよ、ご自分が支払った額のかなりな部分が旅行会社に支払われているという事実を知らずにいらしゃるのです。
私がオーストラリアに来たころにアルバイトしていたオパール店も、こうしたシステムに組み込まれているお店でした。
団体さんのお買物がすんだあと、奥のオフィスで添乗員の方に売上を報告し、現金で、それこそ分厚い札束を手渡しする、そんな光景を今でもよく憶えています。
ご自分で予定を組み、安い航空券を探し、こちらに着いてからもご自分の気の向くままオーストラリアを満喫する。そんな自由な旅行をなさる方も随分増えてこられました。また、こうした団体旅行されている方の中にも、少ない自由時間を使って弊社にご来店いただき、「次はゆっくり自分で来るよ」とおっしゃる方も増えてきました。
オーストラリア、いやゴールドコーストだけでも、充分に楽しんでいただくためには、時間に余裕のあるゆったりとした旅行計画を組んでいただく必要があるのは間違いありません。
今朝方まで降っていた雨が嘘のように、キレイな青空を見せてくれた今日のゴールドコーストです。