昼過ぎにふらりとショールームにやって来たのは、自称“ライトニングリッジから来た鉱夫(マイナー)”。
第一印象は、ちょっと目つきの怪しい、胡散臭い感じ。
でも人は見かけによらないものです。
特にオパールを掘っているマイナーたちは、汚い姿をしていても、ものすごく良い石を持っていたり、そりゃもうすごいお金持ちだったり、まったく外見では判断できません。
ですから、初めて会う自称?“マイナー”たちに対しては、なるたけ外見からの先入観を持たないように接しています。
今日やって来た彼に対しても、あくまでも丁寧に礼儀正しくを心がけて。
なんていっても初めて会う人ですからね。
・・・・・・・・ 実際は英語での会話です ・・・・・・・・
自称マイナー(Mとします):ライトニングリッジからオパール持ってきたんだけど、興味ある?
弊社(Gとします):品物見ないと何とも言えないよ。
M:今持って来てないんだけど、興味あるんだったらすぐに取ってくるよ。
G:それじゃ、とりあえず持ってきて見せて。
しばらくしてオパール持って帰ってきた彼。
おもむろに胸ポケットから袋をふたつ取り出して、
M:赤斑の入った良いブラックオパールだよ、これなんだけど。
袋から取り出そうとするM。
G:それは買えないな。
M:なんで?
G:だってそれトリプレットじゃん。
ちょっと口ごもるM。
M:なんでトリプレットってわかる!
G:だって見ればわかるでしょう。悪いけど、うちはトリプレットは扱わないんだ。天然だけ。
M:天然だけ?これじゃダメ?
G:ダメ。
M:・・・・・・・。
G:申し訳ないけど、買えないよ。それどこから持ってきたの?
M:ライトニングリッジ(まだ言い張ってる)!
G:どう見ても中国製でしょう。
ふたたび黙っちゃうM。
M:どっかこれ買ってくれるところ知らない?
G:さぁ?でもトリプレット売ってるお店が何件もあるから、そこに行ってみたらどう。
G:ところでいくらぐらいで売りたいの?
M:そうね、ひとつ100ドルくらいなら売ってもいいかな。
100ドルって?!
G:トリプレットじゃ小売の値段だってそんなにしないよ。三つで100ドルくらいで小売してるよ。
M:・・・・・・・・。
G:でも、とりあえず他のお店も行ってみたら。
M:わかった(ちょっと残念そう)。
M:あっ、そうそうボルダーもあるんだけど、今度持ってくるから見てくれる?
G:見るのは良いけど、天然?
M:天然(自慢げ)。
G:じゃ機会があったら持ってきて見せて。
G:買えなくてごめんね。
M:時間取らして悪かったね。
今日の彼はまったくの見かけどおり。
はたして彼はトリプレットを希望の値段で売れるでしょうか?
たぶん無理。
今度持って来ると言っていたボルダーオパール。
さて、どんなのを見せてくれるんでしょうか?
ちょっと楽しみ(意地悪)。
いろいろな人に会えるのも、この仕事の楽しみのひとつです。
今日も青空のゴールドコーストでした。