宝石大陸オーストラリア。
そんなオーストラリアを主産地とする、宝石を今日はご紹介しましょう。
以前サファイアをご紹介したことがありました。
サファイア以外にもいろいろな鉱物、宝石が採掘されるオーストラリアですが、そんな中でもオパールと同様オーストラリアを主な産地とする宝石に、写真の“クリソプレーズ(Chrysoprase)”があります。
カルセドニーという鉱物のうち、ニッケルに起因する写真のようなグリーンのものをクリソプレーズと呼んでいます。
カルセドニーじたいは決して珍しい鉱物ではありませんが、このクリソプレーズだけは別格。
特にオーストラリアのクイーンズランド州 Marlborough産のものは、色合いも品質も最高級として珍重されています。
ごらんのように淡いアップルグリーンから深い緑まで色調も様々で、一見ヒスイの色合いに似ていることから、まったく違う鉱物にもかかわらず“オーストラリアヒスイ”という名前で市場に出ていることもあります。
色の濃淡は受け入れる人々の好みで評価が分かれ、中国では濃いもの、アメリカやヨーロッパでは少し薄めの色合いが人気のようです。
現在オーストラリアで産出されるクリソプレーズのほとんどが香港や中国に運ばれ、そこで研磨されたり、彫刻をされたりして市場に出回ります。
日本でもパワーストーンやビーズとして人気があるようですが、着色されているものも多く、そうしたものは安価に販売され、この美しい宝石のイメージを下げてしまっているのが現状です。
今から20年ほど前にも一度この宝石に触れる機会があったのですが、今回、親しくしていただいているサファイアのマイナーご夫妻が、クリソプレーズの採掘にもかかわるようになり、是非日本の皆さんにも紹介して欲しいといことで、久しぶりに私の手元に届けられたというわけです。
このご夫妻、サファイアはもちろんですが、絶対に染色や色を変えるような処理をすることなく、オーストラリアの宝石をオーストラリア産として紹介することに何十年も努力してきた、心強くもアリ、尊敬できる方々で、このお二人のお墨付きがある宝石だからこそ自身を持って紹介することもできます。
その資源量は、ブラックオパールなどと比べてまだまだ豊富な宝石ですが、その柔らかく、何だか口に入れたくなっちゃうような色合いと艶のあるものはやはり貴重なものになってきています。
採掘現場にも呼ばれていますので、近いうちに車を飛ばして見学に行ってくるつもりです。
なにほんの1000キロ、1日の行動範囲ですよ。
またご報告します。
素晴らしい青空のゴールドコーストです。