オーストラリアは空前のマイニング(採掘)ブームです。
残念ながら、採掘といっても“オパールの”ではありません。
地下資源の豊富なオーストラリア。
地面の下に眠るお宝が、この国の経済を大きく支えています。
石炭はもちろんのこと、ここのところ俄然注目されているのが、ウラン。
そう、原子力発電のエネルギーにもなり、はたまた軍事目的にも重要な鉱物です。
日本のウラン輸入量の大半を占めるのがオーストラリア産。
先ごろの中国へのウラン輸出に続き、ロシアへの輸出も決定したようです。
平和目的で利用されるよう願わずにはいられませんが、このウラン景気がオパール業界にも少なからず影響をもたらしています。
ウランなどの地下資源を掘るのは、やはり資本力のある大きな企業。
実際に採掘にたずさわる鉱夫(マイナー)たちは、そうした企業に破格の待遇で雇用されています。
中には1日で1,000ドル(約10万円)以上稼ぐ人も。
何もない荒野で月曜日から金曜日まで採掘をし、金曜日の夜に飛行機で都会の自宅に戻り、週末を過ごした後、月曜日早朝の便で仕事に戻っていく、そんな生活。
1日10万円 × 5日 = 50万円!!
50万円 × 4週間 = 200万円!!!
月給200万円以上の仕事なんて、そうザラにあるもんではないですよね。
一方、ライトニングリッジなど、オパール採掘の現場では、採算性の問題(経費に見合う量が採れない)で大手企業はまったく手を出さず、オパール採掘を担っているのは個人、あるいは家族単位で構成される零細企業。
ガソリン価格の上昇を筆頭に、採掘経費が出て行くわりに見返りが少ない。
確かに当たればアッと言う間にミリオネアですが、そんな幸運な人はまれ。
同じ地面にもぐる仕事であれば、そんなオパールを掘っているよりは、月給200万円以上の仕事に就いて、雇われ人になったほうがマシ。
当然の結論です。
こうして多くの鉱夫が夢をあきらめ、雇われ鉱夫の道へ。
ますますオパール鉱山がさびれ、産出量も減っていく。
これが現実なのです。
ライトニングリッジでも鉱夫の数は激減。
そして鉱夫の高齢化による今後の見通しも、???。
雇われ鉱夫たちが、ふたたび夢を取り戻し、オパール採掘に戻ってくるよう、良いニュースが聞きたいものです。
久しぶりの快晴。素晴らしい青空のゴールドコーストです。