白豪主義と呼ばれる、白人優位政策をとってきた過去を持つこの国、オーストラリア。
なかでも、原住民族たちへの抑圧、そして同化政策。
そんな歴史にひとつの区切りをつけるため、新しいオーストラリアの歴史を刻んでいくための大切な一言。
はたして、けじめをつけることが出来るのでしょうか?
STOLEN GENERATION という言葉があちこちで耳に入ってきます。
1860年代から1970年くらいまで、オーストラリア政府そしてキリスト教会が行ってきた、原住民族への強制的な同化政策。
子供たちを親から隔離し、集団キャンプや里親(もちろ白人)のもとで言葉、風習、文化などを習得させるという大義名分で実行されたこの制度。
親から引き離される子供、そして子供を連れ去られる親たち。
悲劇的な状況であったであろうことが容易に想像できます。
そんな連れ去られた子供たちを、“STOLEN GENERATION(盗まれた世代)”と呼び、多くの議論がなされてきました。
当時子供を連れ去られた親たちや、子供だった当事者たちは、政府に対して謝罪と補償を求めてきました。
賠償や保障に関しては、裁判所の判決で却下されたりと、今だ明確な結論は出ていません。
ですが現政権の決定により、謝罪を行うとのこと。
その日が明後日に迫っています。
現職総理をはじめ、過去オーストラリアの政権担当者であった元総理たちが、水曜日に首都キャンベラで歴史的な、そうアボリジニなど原住民族たちにとっては念願の謝罪の言葉、“SORRY (ごめんなさい)”を口にすることになるようです。
原住民族の中には、この一言でもうそれ以上は望まないという人もいれば、あくまでも賠償としての補償を求めていくという人たちもいて、全ての懸念が解消されることにはならないでしょうが、それでも一歩前進は間違いのないこと。
いったいどのような形、そして言葉で謝罪がなされるのか?
その日に向けまじかに控えたその日に向け、各メディアは盛んに報道を繰り返しています。
オーストラリアの未来、様々な人たちがそれぞれ尊重し合って暮らしていける、より素晴らしい国に向けての大切な一日になるように祈っています。
雲が多めのオーストラリアです。