“天然(てんねん)”と聞いたときに、皆さんの頭の中に浮かぶイメージって?
どんなものでしょう?
これまでにも宝石名の“表記法”については何度かご紹介してきました。
私はオパール屋ですので、オパールに関することが中心になってしまいますが、オパールだけではなく他の宝石に関しても、紛らわしい名前や表現が依然蔓延っているのが悲しい現状です。
オーストラリアのオパールを扱う業者の業界団体(OPAL ASSOCIATION)が先頭に立って、世界中のオーストラリア産オパールの命名法、分類法のルール徹底を推進しています。
特に、北米を中心としたインターネット上での販売業者、オークション業者などの表記法に問題が多くあるようで、やはり一番多いのは、ダブレットやトリプレットなど、はり合せてあるオパールを天然として販売しているケースです。
そうした業者にはレターを発送し、表記法の是正を求めているのですが、なかなか素直に従わないものが多く簡単な作業ではありません。
中には販売する側自体に充分な知識が無く、ダブレットは天然だと思い込んで販売している場合もあり、そのような場合は、いったんその業者に知識を与えてやれば同じことを繰り返すことはありません。
一方、業者が知っていて、それでも消費者を惑わすような意図で天然と謳っている場合は、言ってみれば確信犯、なかなか「ハイ、そうですか」と従ってくれないのが現実です。
もちろん我々にしても、OPAL ASSOCIATIONにしても、何ら強制できる権限を持っているわけではありません。
そこで、いつまでたっても改善されない、あるいは同じことを何度も繰り返す悪徳業者に対しては、各国の消費者センターや担当する公的機関を通じて改善を求めていく方法がとられます。
しかしネット業者、特に実店舗を持たないような業者は、いったん従ったにもかかわらず、ほとぼりの冷めたところで同じことを繰り返すものがいて、まさしく“イタチゴッコ”。
日本に眼を向けてみると、ここも相変わらず。
ネット上では、わかりにくい混乱させるような表現が、オパールに関してだけでも、まだまだ溢れています。
例えば、“天然”と“ ダブレット”という、相反する言葉を検索エンジン、あるいはオークションサイトなどで検索してみてください。
“天然ダブレットオパール”なんて名前をつけられた商品がどれだけ売られているか、理解していただけるはずです。
OPAL ASSOCIATIONは、決して日本のそうした状況を黙認しているわけではありません。
オーストラリア産オパールにとり、アメリカ同様、日本は大きな市場です。
そんな日本の状況も重視しています。
日本で“天然ダブレットオパール”を販売している皆さん。
どうぞご注意を。
そのうちあなたのものに一通のレターが届くかも ・ ・ ・ ?
消費者の皆さん 。
くれぐれも気をつけて、ご購入する際にはよく見極めてください。
上の写真は全てダブレットオパールです。
念のため。
今日も、降ったり晴れたりのゴールドコーストです。
私も,数日前に「天然オパール」と名のついたオパールをネットで見ました。「ん?ボルダーかな?」と思って見てみたら,中にはダブレットと書いてありました。確かに知らない人が見たら勘違いしますよね。それにしても,上の写真のダブレット,綺麗ですよね。
>かよぽん さま
本当にきれいでしょう。ダブレットはダブレットで、天然とは違った楽しみ方がありますよね。
でもやっぱり天然が一番!ですけど。