当たり前のようで、当たり前でない。
ありそうで、ない。
そんなオーストラリアのジュエリー事情です。
オーストラリアの宝飾品業界は、まだまだ成熟していない分野ではないかといつも感じます。
“~%OFF”“~ SALE”を連呼するCMや、やはり“~%OFF”のサインがそこらじゅうに貼り付けられた店舗。
価格先行で、質が置き去りにされたそんな販売方法。
K14やK10ゴールドが主流の素材。
もちろん上質のものを扱う宝石店もありますが、ごくごくわずか。
価格先行で品揃え、製作をしていくには、原価を出来るだけ下げなければならないのは当たり前。
そこで宝石の質を下げ、製作費を削って仕上げていく、そんな考え方は自然です。
制作費を削るためには、なるたけ素材(ゴールド)を少なく、大量生産、そして海外(中国やベトナムなど)での生産ということになっていきます。
10年、20年前とデザインも仕上がりも変わらない、古くさい粗雑なつくりが現在でも大量にでまわっていて、新しいアイデア、デザインなんて???
こんな中途半端なジュエリーしか見ることのできない、オーストラリアの一般国民たちが可愛そうに思ったりすることも ・・・・。
上のオパールペンダント。
このシンプルな造りもオーストラリアでは画期的。
何がかと言うと、
こんな風に環をひとつ入れてやって、ヘッドが揺れるようなデザインはとても稀。
遊色を楽しむために、オパールではごく普通なことなんですが、オーストラリアのメーカーさんはそんな面倒なことはしないんですよね。
このペンダントは知合いのジュエラーにそんなことを愚痴った結果、彼が造ってきた1点。
簡単なことですが、そんな工夫や心づかい、大切なのではないかと思いませんか?
世界中からいらっしゃる方々と接していると、日本人の皆さんがどれだけ見る目があって、目が肥えているか痛感させられるとともに、そんな豊かで素晴らしい日本に住んでいることの幸運さを実感していただきたい、そんな風に思ったりもします。
空模様が怪しくなってきたゴールドコーストです。