こんな画像があったんで、今日はブラックオパールの色についてお話してみようと思います。
“色石”と呼ばれる宝石で一番重要視されるのはもちろんその色あい。
エンハンスメントを施され、色を変えたり色あいや色調を整えられることがポピュラーな宝石も多々ありますが、天然ブラックオパールの場合はこうした処理とは普通は無縁。
自然が生み出したまま、採掘されたままの色で市場に出て行きます。
当然、その生まれたままの色あいにより価値が違ってくるのは、皆さんご承知のとおり。
それでは、どれくらい価値に差があるのか?
こんなご質問をいただいても、きちんとしたお返事ができないのは、色の種類だけで価値が決まるわけではないため。
色あいの種類は重要なファクターですが、色調や透明感、キズの有無等など、いろいろな要素が価値判断には絡んできます。
もちろん市場の需要も大切。
それでも採掘される量の多寡により、その色の希少価値が違うのも宝石好きな皆さんならご存知のはず。
ブラックオパールの場合は、それが“赤斑”を特別にしている理由です。
それでは、どれくらい採掘量に差があるのか?
これも具体的にお答えするには難しすぎる疑問です。
そこで上の画像をもう一度見てください。
圧倒的にブルー系のオパールが多く、グリーンがそこそこ、そしてオレンジ~赤はというと、ほんの数点。
私が経験的に感じる差は、この画像くらいのものではないでしょうか。
一般的にブラックオパールの色あいによる採掘量の差は、出やすいものから“紫、紺、青、緑、黄、オレンジ、赤”とされています。
オパールの主要成分“二酸化珪素(と水やその他の成分)”粒子の配列と大きさによって、発色する色あいに違いが出ます。
粒子の大きさがバラバラでは遊色は見られず、色の無い(宝石にならない)オパール、“コモンオパール”と呼ばれます。
それでは出る色の違いはどこから来るのでしょうか?
あくまでも簡単に、極端にご説明すると、「大きさの揃った粒子が、ある大きさより小さいと紫~青、ある大きさを超えると“赤”を発色する」のです。
粒子が大きく成長するためには、安定的な環境の中で長い時間が必要となります。
また、成長していく過程で、粒子の大きさに差ができてしまったり、並び方が崩れてしまったりと、いろいろな障害の発生も考えられます。
そんな障害にあわず、ゆっくりじっくり育まれた粒子を持つオパールだけが、“赤”を見せてくれるのです。
「じゃあ、赤のブラックオパールの方が古い時代のものなの?」
このお話をすると、こんなご質問をいただきますが、決してそういうわけではありません。
ブラックオパール全てが、「よ~いドン」で、いっせいに成長し始めた訳ではありませんので、赤のものより古い青のブラックオパールももちろん存在することになるわけです。
何にしろ、大切に育てられたブラックオパールだけが、美しい赤色を見せてくれるのです。
赤斑を持つブラックオパールは、まさにブラックオパールの中の箱入り娘、なのです。
昨日の雨を引きずっている今日のゴールドコーストです。