“投資”という言葉から、みなさんはどんなイメージを浮かべるのでしょうか?
株、不動産、為替、貴金属 ・・・・。
一昔前までは、“投資なんてお金に困っていない人、大金持ちだけができること”なんて思われていましたが、最近はそんなイメージもまったくなくなり、様々な人たちがいろいろなものに対して投資をする、そういう時代になってきました。
デイトレードなんてものが流行し、若くして億万長者になる人も。
また、投資に関する情報も豊富な時代です。
不動産市場の成長と、資源ブームに沸くオーストラリアでも同じこと。
逆に充分な準備の出来ていない投資家が、安易な勧誘に誘導されて被害にあう状況も日豪共通。
そんなプラス、マイナスのある投資ですが、最近オパール、特にブラックオパールをめぐる投資話を耳にするようになってきました。
これまで、ブラックオパールの採掘量の減少、それに伴う価格の上昇を見越して、アメリカの投資ファンドや、投資家が、ブラックオパールを買い始めているという噂は聞いていましたが、最近はどうやらオーストラリアの投資家たちも動き始めたようです。
好景気のオーストラリア経済にうまく乗ることができ資産を築いていった人たちは、不動産市場の加熱気味な状況から他の投資先を探し始めたのでしょうか?
「投資家がブラックオパールをまとめて購入していった」とか、「買占めに走っている」とか、そんな話があちらこちらに。
私がオパールにかかわるようになった頃から、「オパールは投資の対象になるのか?」という相談といいますか、お問合せをいただくことはありました。
当時は、まだこれほど採掘量も激減してはおらず、「投資対象として考えるより、身に着けて楽しむことをまずはお考えください」、なんてお答えしていました。
でも、今になって考えると、当時と今の価格差は充分投資対象としての条件を満たしていたのかもしれません。
当時はそのようには考えられなかった自分(まぁ、だから今でもお金持ちではない自分があるのですが)。
それでは今同じ質問をいただいたら、どのように答えるべきなのか?
難しいところです。
元来、宝石を投資対象と考える場合、まず第一の条件は希少性と需要のバランスではないでしょうか?
たくさんあるものに対しては投資対象になるとは思えませんし、逆にものが少なくとも需要が無ければこれも持ち腐れ。
それではブラックオパールというだけで、その希少性は充分なのか?
残念ながらこれは違うと思います。
投資対象として考えるのは、将来見返り、値上げが見込めるから。
ただブラックオパールというだけではなかなか利益を上げることは困難でしょう。
ブラックオパールの中でも特に希少性の高い“赤斑”や“ノビーブラック”、つまりサイズも大きく地色も深く、そして遊色も美しいもの。これが投資対象としたときの最低限の必要条件では?
ということは、いまの段階でもある程度お値段のはる質の良いものということになり、元手が無ければ本当に投資対象になるブラックオパールは手に入れることはできません。
やっぱり大金持ちだけ、ということでしょうか?
もちろん購入する際のお値段も大切。
宝石のように、採掘者がいて私たちのような卸がいて、輸入業者がいて、問屋さんがいて、小売店があるという流通システムのどこで購入するかにより、その価格はずいぶん違ってきてしまうのも現実です。
こうしたことを考えてみると、なかなか難しいというのが事実なのではないでしょうか?
少し話はずれますが、日本の宝飾店でも、「将来値段が下がることは無いから」なんてセールストークをするところ、今でもありますよね。
事実かもしれませんが、このような投資目的を含ませた販売方法はいかがなものでしょう?
オーストラリアで、ブラックオパールが投資対象になりつつあることはどうやら事実のようです。
こうした投資家が介入してくれば、価格が上昇することは確実。
本当にオパールの魅力にひかれて、たんなる利益目的ではない、オパール好きの方々には決して良いニュースではありません。
私たちの腕の見せ所、かもしれません。
今日も快晴です。