本来はマイナス要素であることが、ちょっとした偶然でプラスに転じる。
そんなことありますよね。
今日ご紹介するのも、そんな偶然が働いたオパールです。
宝石のマイナス要素ってなんでしょう?
絶対的にマイナスに働き、決してプラスに転じることのないものが、“キズ”、“カケ”、そして“割れ”。
内部に割れているところがあれば、それがどんなにきれいな割れ方であろうとプラス要素にはなりえません。
対して、内包物と呼ばれるもの。
これは宝石の価値判断上はマイナス要素ですが、その内包物の状態などによってはプラスに働き、その宝石全体の価値をあげる場合が多々あります。
一番わかりやすい例は、、、
そう琥珀。
琥珀という宝石ご存知ですよね。
この琥珀の中に虫が入っていると、その価値はグッと上昇します。
また、ルチルが内部に不純物として混入することで独特の表情を見せるスタールビーやスターサファイア、そしてキャッツアイなどもひとつの例です。
ブラックオパールの場合、内包物として一番多いのは砂や母岩(ポッチ)です。
特にポッチがたくさん宝石面に存在すると、ブラックオパールとしての美しさ、そして価値を下げることになります。
ですが、そんなポッチのおかげで表情に深みや美しさ、そして個性を与えられたブラックオパールもあります。
写真を見てください。
黒いポッチとブルーの遊色が、まるでペイズリーのように並び、とても不思議でかつ美しい表情を見せてくれています。
もしこのオパールにポッチの干渉がなければ、ごく、ありふれた濃いブルー単色のものになっていたでしょう。
ポッチによってより深みを増した時に、不思議なブルーの柄(遊色)が浮び上がる、とても個性的なブラックオパールです。
今日は暖かめのゴールドコーストです。