宝石の世界には、いろいろな伝説や物語があるのはご存知のとおり。
子供がおはじき代わりにしていた石がダイヤモンドだったり、トラック運転手が酔っ払ってつまずいたのがまたまたダイヤモンドで、それを売って家を建てた話、、、。
特にダイヤモンドにまつわる話は良く聞かれますが、もちろんオパールをめぐっての伝説、逸話もイロイロあります。
今日は、そんな逸話の中で、ボルダーオパールにまつわる話をご紹介します。
時は新しい世紀を迎えようとしている1890年台の末。
ブラックオパールと同じように、ボルダーオパールの存在自体はそれなりに知られてはいましたが、まだマーケットが確立されていない時代。
それでも主にヨーロッパからの移民たちによる、細々とした採掘が始まった頃のお話です。
ドイツから一攫千金を求め、はるか世界の果てオーストラリアまでやって来た男がいました。
何もない赤い原野を相手に、コチラへうろうろ、アチラをうろうろ、いつか見つかるであろうオパールを求めて過ごすこと数年。
それでもめぼしい成果がなく、資金も意欲も尽き、すっかり痩せこけた身体を引きずりつつ、その男が去っていったその場所が物語の舞台です。
登場するのはこの物語の主役ジョー。
オパールの知識も、まして採掘の経験も乏しいこの若者ジョーと、経験も知識も豊富な年上、それもずっと年配のビル。
この二人がなぜ組んでオパール採掘をするようになったかはわかりません。
体力の衰えを日々感じるようになったビルが、自分の後継者を育てようとしたのか?
それとも何も知らない若いジョーをダマクラかして利用しようと考えたのか?
あるいは???
とにかく、この老若二人組みが、同じ夢を抱いてやって来たのが、先のドイツ人が去っていった鉱区でした。
几帳面なドイツ人は、その鉱区を去る際に掘った穴を全て埋め直していったのですが、たったひとつだけ残されていた穴がありました。
経験豊かなビルは、「きっと井戸として使っていた穴だろう」と単純に考えたのは当然。
確かに穴の底には水の気配が。
でも、何も知らない無邪気なジョーは、その井戸の底に青く輝く光を見たような気がしたのです。
もちろん、そのことを大先輩のビルに言えるわけもなく、井戸のことは忘れて、毎日過酷な環境の中でオパール探しを続けていました。
ところがある日、ふと井戸のことが気になったジョーが、もう一度底を覗いて見ると、確かに青く光る何かが!
意を決してビルに話をしてみることに。
「そんなの気のせいか、青いビンでも沈んでるんだろう。そんなとこにオパールがあるはずない。俺が保証するよ。」
「無駄なことしないで、井戸はそのまま放っときナ!」
帰ってきたのはそんな答えでした。
井戸はそのまま放って置かれ、ビルの言うまま他の場所で一生懸命オパールを探すことで数ヶ月が過ぎていきました。
でも、残念ながら、コレといった結果の出ない二人、そして資金もなくなりつつあった二人は、3ヶ月以内に戻ってくることを約束し、資金稼ぎのための仕事を探しに、それぞれ別の方角に別れたのでした。
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仕事にも就け、資金も稼ぐことが出来た若いジョーは、年齢のためになかなかコレといった仕事が見つけられなかったビルよりも一足早く自分達の鉱区へ戻ってきました。
前に見た井戸の底の青い光が、この3ヶ月間頭を離れなかった彼。
信じようとしないビルのいぬまに確かめてやろうと、井戸の中へ降りてみることに。
少しずつ井戸の底に溜まっている水面に近づき、はるか頭上の空から差し込む光を遮らないように自分の体勢を変えた瞬間!!
?!?!?!?!!!!!。
ちょっと長くなってしまったので、つづきは明日。。。
陽射しが強烈な、夏のような今日のゴールドコーストです。