そんなこんなで井戸に降りたジョーが目にしたものは!?
確かに青く光るものが!
静かに底に降りたジョー。
井戸は思ったより水が少なく、今や青く輝くものは手を触れることが出来るほど目の前に。
間違いなくオパール!
確信を持ったジョーは、さっそく水をかき出す作業を始めます。
徐々に姿を現すオパール。
思ったよりも大きく、大部分が埋まっている状態でした。
注意深く底を掘り進んでいくジョーが目にしたのは、青だけでなく、まるで太陽のような赤を持った輝く塊。
それだけではありません。
その原石を取り出した下から現れたのは、真っ赤な15センチ台のオパールの丸い原石。
結局その日ジョーが採掘したのは、1.5メートル、14キロにも及ぶオパール。
経験の浅いジョーには、その価値が全く想像もできません。
でも、これが世界最大のオパール発見のほんの始まりでした。
その後、帰ってきたビルが驚いたのはもちろん、自分の過ちを認めジョーに謝罪したのも言うまでもありません。
マーケットの確立していないボルダーオパール。
採掘されたものを売ることにも当初は苦労した二人でしたが、次々と出てくる素晴らしい原石にマーケットが注目するまでにそれほど時間はかかりませんでした。
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ドイツ人がこの井戸も埋めてしまっていたら?
もしジョーがおとなしくビルの言うことを聞いていれば?
ジョーが先に戻ってこなければ?
この世界最大級のオパール鉱区は、未だ見つかっていなかったかもしれません。
現在このエリアは“Mt. Surprise”、驚愕の山と呼ばれています。
ジョーは1960年代に亡くなるまで、ボルダーオパール採掘の中心人物として採掘を続け、亡くなった後も伝説としてオパールの歴史に刻まれています。
追記;この鉱区は第二次世界大戦が終了するまで、誰も採掘権を申請していませんでした。でも、人々はジョーとビルの発見を尊重し、二人をこの鉱区の採掘権の持ち主として認め、誰も横から入り込もうとしなかったそうです。現在ではとても信じることの出来ないことです。
今日も良い天気のゴールドコーストです。