原石の状態から宝石にかかわる者の宿命、イヤイヤ“義務”。
それは、その“石”の魅力を最大限に引き出してやる、ということではないでしょうか。
オパールの場合ももちろん同様。
色合いを美しく引き出してやるコト。
表情を最大限に発揮させてやるコト。
そしてできるだけ大きなサイズで磨きだしてやるコト。
色合いが美しく、表情も個性的で、サイズが大きい。
それこそが、長い年月を掛けて育まれてきた宝石に対する、最大のエチケット。
でも、いかに色合いが美しくても、どうしても削ってやらないといけない、サイズを小さくしないとならない場合が多々あります。
今日のボルダーオパールも、そんな義務を果たしてやれなかったひとつ。
変形ハート型のオパールと、小ぶりな紡錘型のオパール。
もとはひとつの原石でした。
全てが上手く運べば、形もオーバルに近く、より大きなサイズを磨きだすことができるはずだったのですが、、、。
残念なことに、このふたつのちょうど間部分に存在していた砂の内包物をを伴ったキズ。
そのままひとつのオパールとして磨いてしまうことで割れてしまうということは無いのですが、将来的にやはり割れてしまう危険性を持ったキズの存在。
泣く泣く、このようなふたつのオパールに仕上げました。
オパール層も厚く、色合いもとても美しい、ボルダーオパールのペア。
この変形ハート型もとてもユニークだし、小さい方も幸いきれいな表情を保ってくれました。
ひとつにしてやれなかったのは残念ですが、とても色合いの鮮やかなふたつのオパールに生まれかわりました。
今日は曇り空のゴールドコーストです。