昨日に引き続き、今日もオパールのカットにまつわるお話です。
今日のボルダーオパール、最初の姿は上の写真のようなものでした。
そこそこサイズもあり、グリーンのフラッシュがとても印象的なオパールなんですが、どうしても、どうしても気になる部分が。
ちょうど真ん中あたりに露出している母岩の鉄鉱石。
そしてそれを取り囲むようなイヤ~な雰囲気。
ボルダーオパールの場合、母岩が露出してるものはそれほど珍しくもなく、かえってそれが表情にポイントとなっていることが多々あります。
でもこのオパールのように、母岩部分とそのまわりのオパールの形成状況、関係を見ていくと、中にはその部分だけ弱くなっているものも存在します。
すぐに割れたり、色が無くなってしまうなんてことはありませんが、総合的に判断をし、時おり石をカットし直すことも。
写真のオパールは、上半分にグリーンのフラッシュがよりキレイに表現されるんですが、そのために少々発色の弱い下半分が、石全体の印象をずっと暗いものにしてしまっていました。
この辺りが判断の決めて。
宝石をカットするということは、外科手術を受けるようなもの。
予期しない副作用、マイナスが出るかもしれませんし、最悪の場合は、カットの失敗でこのオパール全てが無に帰してしまうことも。
まさしくギャンブルです。
慎重に、慎重に事を進め、生まれかわった姿がこの写真。
大きさは約1/3ほどになってしまいましたが、全体をグリーンの斑が走り回る、とても素晴らしいオパールに生まれかわりました。
暗い部分がなくなったため、全体の印象も、斑の発色もより強調されて見えるようです。
今日ご紹介したのは“ギャンブル”に成功した部類ですが、やはり失敗することも。
中途半端なものをお届けする訳にはいかない、そんな私のこだわり、わかってください。
雨のパラつくゴールドコーストです。