今日、ご紹介するのはこのボルダーオパールです。
小ぶりですが、なんとなく“コロッ”とした雰囲気が、私のオパール心に訴えかけてくる、そんな一品です。
ご存知のとおり、ボルダーオパールは鉄鉱石の亀裂にできる、独特なオパールの種類です。
その生成の形態ゆえ、オパール層自体は薄いものが多く、ゆえに鉄鉱石を伴ってカット、研磨されます。
ですが、一口に亀裂と言っても大きなものもあれば小さなものもあります。
極々細かい亀裂にオパールが入り込んだものは、例えば“マトリックス”などとも呼ばれ,オパールのひとつのカテゴリーを作っていたりもします。
逆に大きな亀裂にできたボルダーオパールは、厚みもある程度あり、決してブラックオパールにも負けない素晴らしい遊色を見せてくれるものです。
ただ、大きな亀裂を埋めていくには当然長い年月を必要とし、その年月の変化の中で、どうしてもオパールの粒子(二酸化珪素)の配置にバラつきや、大きさの不揃いが出やすくなります。
つまり、キレイな色合いや遊色を失ってしまうものが多くなることになります。
よくボルダーオパールの原石に見られる、鉄鉱石の亀裂を埋める“真っ白”で“遊色の全くない”部分、俗に“コモンオパール”と呼ばれる、この部分が、その色合いを失ってしまったオパールの姿です。
今日のオパールは、サイズこそ大きくはありませんが、ボルダーオパールとしては暑いオパール層とカットの状態が、まるでグリーンの遊色を示すオパールの塊のような、“ころころ”っとした印象を与えてくれます。
ボルダーオパールの特徴である強烈な色合い、そしてこの“ころころ”感が、どこかしら安心感というか、落ち着きをもたらしてくれるます。
ありそうで、なかなか無い、そんな美しいオパールです。
今日蒸し暑いゴールドコーストです。