こんな商売をしていると、いろいろな人たちに出会うものです。
マイナー、ジュエラー、そしてもちろんご来店いただくお客さまがた。
そして、もちろん日本の方だけでなく、まさしく世界中からいらっしゃる様々な国の方々とも、お目にかかる機会が多くあります。
「世界は広いなぁ!」
そんな風に思うこともしばしば。
本当に人間模様いろいろです。
昨日のちょうどお昼時。
ふら~っとご来店いただいたのは、インド人の女性、歳のころ50代。
宝石好きの方が多いインドゆえ、彼女もゆっくり、楽しみながらオパールを眺めていらっしゃるよう。
一通り見ていただき、指輪用にとひとつのブラックオパールに目をとめられ、他のものと比べながら、あれこれ1時間ほどおしゃべりを。
ご自身も納得されたようで、さて、ご購入、お支払い、という段になって彼女の口から出たのが、
「実は、オパールを買うなんて思ってなかったんで、その分の予算がないのよね。」
「でも、このオパールも、このお店も気に入ったんで、やっぱり買うことにしようと思って・・・。」
なにか歯切れの悪い感じ。。。
そして出てきたのが、
「娘がこっちに留学してるんだけど、その学費があるから、それで支払いさせてもらいますね。」
「えっ・・・!?」
大切な娘さんの学費、使っちゃって良いんですか??
ご領収書も書き終わり、彼女もお財布からお金を出して数え始めたところでの疑問。
「一度、娘さんやご主人と相談なさったらいかがですか。」
そうアドバイスを差し上げても、彼女は、欲しいから、の一点張り。
しばらくご家族のことなどお聞きし、再度、ご相談なさることをお勧めすると、
「そうね。」
納得されたよう。
いったんお店を出て行かれ、1時間ほどして娘さんと再来店。
娘さんは、「欲しければ買いなさいよ。」、そう言って下さるものの、やはりご自分の学費、少々困惑気味。
「どうぞ、まだお時間がありますので、ご主人とも相談なさって、ゆっくり考えてください。」
「このオパールは取り置きしておきますから。」
やはりお母さまも娘さんの様子に気がついたのでしょう。
「それでは、そうさせてもらいます。」
そう言って店を出て行かれました。
オパールは“幸運の石”。
もちろんお店、企業としては売上が欲しいのはやまやま。
でも、せっかく気に入っていただけたオパールが、家族内での揉め事のもとになるのは・・・。
あと3日ほどご滞在されるよう。
ゆっくりご主人とも相談されて、皆さんでまたご来店くだされば一番なのですが。
オパールが彼女だけでなく、ご家族みんなに幸せな気分と喜びを与えてくれるように。
そんなお手伝いをするのが、我々の役目です。
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今日も快晴のゴールドコーストです。