オパールをめぐる人々の葛藤、苦悩、喜び、そして・・・
先日お店にやって来た、オーストラリア人のご婦人のお話です。
目的に向かってまっすぐ!
そんな勢いを背負って店に入ってこられたコノご婦人。
開口一番、
「オパール売りたいんだけど・・・」
これまでもご紹介したように、たまにこんな売り込みの方がいらっしゃいます。
まずこうした方から買うことはありませんが、何かお手伝いができないか、お話だけはをお聞きします。
「私のお祖父さんが残してくれたものなの。」
「お祖父さんが若い頃、ライトニングリッジで採掘して磨いたものらしいけど、、、」
「もらった当時、お祖父さんは2千ドルくらいはするって言ってた。」
「困ったときに売って、お金にするよう、お祖父さんはそう言ってくれた。」
とりあえず、オパールを見せてもらうことに。
バックの中から大切そうに包まれたオパールが。
見ると、真っ白。
そうです、まさに“真っ白”としか表現できない表情。
「これは遊色もまったくないし、この色合いはライトニングリッジ産ではないと思いますよ。」
「申し訳ないけど、2千ドルはちょっと・・・」
正直にお伝えすると、
「いくらくらいなら買ってくれる?」
「値段の問題ではないんだけど、あえて値段をつけるのなら20ドルくらい。」
「・・・・・・、20ドルで買ってくれる?」
「ごめんなさい、買うことはできません。」
とお返事を。
「せっかくお祖父さんが残してくれたんだから、売るなんてこと考えずに持っていらっしゃればよいのに。」
対して彼女は、
「もうすぐ海外へ引っ越すから、持ち物の整理をしてるもので・・・・・。」
国を出るにあたって、このオパールを売ることで何がしかの資金にしよう、
そんなお気持ちだったよう。
「だれか買ってくれる人、知りませんか?」
「ごめんなさい。でも売るのは難しいと思いますよ。」
お礼を述べられて店を出て行かれる後姿の落胆振り。
入ってきたときとは別人のよう。
きっとお祖父さんの言葉を信じて、きっと売れるものと思ってやってこられたのでしょう。
お祖父さんの名誉を傷つけてしまったようで、なんともやりきれない思いが。
でも、ことオパールに関しては嘘をつくことができない私。
正直にお伝えすることしかできませんでした。
その後、彼女はオパールを売ることができたのか?
それとも、あきらめて持って海外へ引っ越していったのかはわかりません。
できれば、お祖父さんの思い出と一緒にずっと持っていてもらいたい、
そんな気がします。
気持ち良い青空と風のゴールドコーストです。