吸い込まれていくのか、それとも噴き出しているのか?
中心の一点から放射状に広がる色彩。
個性的な表情のボルダーオパールです。
この中心点は、斑の出ないオパール、俗に“コモンオパール”と呼ばれる部分。
“コモン”とは、日本語にすると“ありふれた”とか、“普通の”とかそんな意味でしょうか。
いずれにしろ、たいして価値の無いものにつけられる呼び名です。
あるエリアから産出されるボルダーオパールに良く見られるこのコモンオパール部分、当然その存在自体は不純物であり、宝石的な価値を下げるものです。
ですが、そのありきたりな不純物が、全体の印象に大きく貢献している場合、もちろん良い意味で貢献している場合、逆にそのオパールの特徴、アピールポイント、個性となることがあります。
これまでもご紹介してきた、ブラックオパールのポッチラインやボルダーオパールの母岩とのバランス、こうした要素は他の宝石では考慮されることの無い、オパール独自の価値判断。
もちろん不純物ですから、写真のボルダーオパールもこの部分が無ければもう少し価値は高くなるはずですが、それでも、こんな個性をかもし出してくれるこの不純物、
私はけっこうスキです。
さぁ、皆さんには何が見えますか、このオパールから?
雲が多めのゴールドコーストです。