私たちにとって、品物をご購入いただくお客さまがたが大切なのはあたりまえ。
でも、お客さまがたと同じくらい大事なのは、毎日、こんな穴の中で仕事をしている鉱夫たち。
彼らがいなけりゃ美しいブラックオパールも、個性的なボルダーオパールも手にすることはできません。
忘れるなんてもちろん、おろそかにすることはできません。
落盤の危険にさらされ、泥まみれホコリまみれになって、ひたすら採掘を続ける鉱夫たち。
彼らなしでは、私の仕事はありえません。
彼らとどれだけ良い関係を維持していくことができるか、
これは、私のような仕事を続けていくにあたって、とても大事なポイントのひとつです。
やはり、お互い人間ですから、そこには感情も打算も、そして時には摩擦が生まれるのもしょうがありません。
鉱夫からすれば、良い値段でたくさん買ってくれるバイヤーはありがたいでしょう。
逆に、私のようなバイヤーにとり、他よりも安く、それも質の良いものを安定して供給してくれる鉱夫が一番。
でも、いつもそんな商売のこと、お金のことだけ考えてお付き合いをしていくと、いつかギクシャクしてしまうことも、
お付き合いをしていく上で、守るべきルールを守ること。
それには、“嘘をつかない”、“相手をだまそうとしない”、“自分だけが得をしようとしない”、
この3点が大切。
どんなに良いオパールを持っていようと、信じることのできない鉱夫とは長いお付き合いはできません。
お互いの立場、状況を理解しあい、困った時や助けが必要な時は手を差し伸べあう
そんな関係を築くことができれば、けっして頻繁に会うことがなくとも、息の長い繋がりができるものです。
鉱山へ行った時は、イロイロと手助けをしてもらう。
逆に、必要ではなくとも、会うたびに少しづつオパールを買い続ける。
お互い持ちつ持たれつ。
世の中の景気が悪くなり、昔ほどオパールが売れない今、
相手をだましてでも、どんな手段を使ってでも、お金を得ようとする鉱夫が、以前にもまして増えてきました。
買ったときは素晴らしい笑顔、でも買わないと知らんぷり、、、
そんな、鉱夫とはお付き合いしたくありません。
誰も仕入れなくなってしまえば、採掘をする鉱夫たちもいなくなってしまう。
そんな状況にならないよう、細くても、少しずつでも、買い続けなければ!!
どんな宝石でも、鉱夫がいて私のような人間がいて、そしてその後にもたくさんの人たちの手を経て、いろいろな思いが込められて、皆さんの眼を楽しませることができるのです。
どうぞ皆さん、その皆さんの眼の前にある宝石たち、その宝石にかかわってきた人々のことも、時には考えてみてはいかがでしょうか?
曇り空のゴールドコーストです。
貴店の商品が安価なものから高額なものまで実にバラエティ豊かな訳が少し分かった気がします。たとえ安価なものでも鉱夫さんやお店の方の想いがつまっているのですね。いいお話をありがとうございます。
> かよぽんさま
口幅ったいようですが、そんな多くの人たちの想いも一緒に、宝石は楽しんでいただければと、常に考えております。