９月ももう２０日。
月日の速さについていけない今日この頃。
そんなバタバタな日常の中で、先日、こんな鉱夫（自称）に出会いました。。。。
“オパールを売りたい”
そんな人々が時おりやって来ます。
おばあちゃんの形見とか、拾ったとか、中には絶対盗品だろ！というものまで、
小遣い欲しさのティーンエージャーから、腰曲がったお年寄りまで、
それは雑多な人たちがやって来ます。
基本的に、そうした人たちからは買うことないんですが、持ってきたオパールを見ながら話だけは聞くことにしています。
歳のころは５０代、見てくれは典型的なオージーオジサン。
何でも自分が採掘したオパールを見てもらいたいと、前日電話したきたらしく、私も今回は本当にマイナー（鉱夫）なんだろうと会うことに。
そのオージーオジサンが懐から大切そうに取り出したのは、、、、
小さなブラックオパール原石に穴を開けてペンダントにしてあるものと、周りを金属で囲い（所謂ベゼルセッティングというヤツ）タイタックにしてあるふたつのオパール。。。
それだけ。。。。。。
落胆の気持ちを抑えながら、とりあえず手にとって見る振り。
ご推察どおり、ふたつのタイタックに使われているのは、どうみてもトリプレット。
「これ、どこで採ったの？」
彼曰く、
「ライトニングリッジだよ。キレイでショ♪」
ルーペで見たり、ライトを当ててみたりと、せっかく来てくれた彼に最大の礼儀を、一応見せる私。
「でも、これトリプレットじゃない？」
しばらく無言の彼、
「イヤイヤ、そんなことないよ。何たって自分で掘り当てたんだから」
そう言い張る。
「オパールだけ外して見てみないと、お値段出せないよ」
礼儀その２。
「ここで今、外せる？」
「いやうちじゃ外せないなぁ」
「どこかでやってくれるとこ知ってる？」
「知ってるけど、お金掛かるよ」
「いくらくらい？」
「さぁ？」
そんな話をしながらも、しきりに値段を聞いてくる彼。
「いくらで買ってくれる？」
「どれくらいの価値ありそう？」
「だから、外さないとわからないよ」
そうとしか答えられない私。
しばらく考え込んでいた彼。
「でも価値わかんないんじゃ、外すお金が無駄になるかもしれないな」
「でも自分で掘ったんでしょ。どれくらいで売りたいのか希望はないの？
ところで、ライトニングリッジのどのエリアのオパール？」
その素朴な質問に胸を張って彼はこう言いました。
「ライトニングリッジに入って右曲がった奥の・・・」
「奥の？」
「金物屋の隣！」
？？？？？？？？？？？？？？
金物屋の隣って、、、、、
これまでも自称マイナーという多くの人たちにお目にかかってきましたが、こんなにわかりやすいのは初めて。
驚いた！
彼は、オパール採掘なんて考えたことも、もちろん見たこともないんでしょう。
なんか可笑しくなって、
「とりあえずオパール外してからまた見せて。ひょっとしたら２万ドルくらいの価値あるかもしれないし（ゼッタイない！）ね」
そんな励まし（？）の言葉を掛けて、彼にはお引取りいただきました。
それから今日で一週間。
彼の姿は、まだ見かけません。
こんな出逢いがあるこの仕事、
辞められません！
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ちなみに今日の写真はこのお話には一切関係ありません。写真はもちろん天然のブラックオパールです。
今日は強烈な日差しのゴールドコーストです。
