オーストラリア内陸の砂漠やブッシュを中心とした、人口の少ない地域をアウトバック(Outback)と呼びます。
そんなアウトバックを車で旅する際の注意点、今日はご紹介しちゃいます。
まぁ、ほとんどの方には関係ない、役にたつ日が来ることなどない話題。
でも、ひょっとして、「オーストラリアの大地を車でぶっ飛ばしたい!」、「アウトバックをゆっくり見てみたい!」なんて方もいらっしゃるかもしれませんので、内陸部を走る際のポイントをいくつか、お付き合いください。
20年前と比べて、内陸部の道路事情は随分と良くなったのは確かですが、それでも日本の常識では通じないところがまだまだ沢山あります。
皆さんが観光でいらっしゃる沿岸部の地域は、片側2車線、3車線、あるはハイウエイなどは4車線の立派な舗装路が整備されています。
でも、内陸へ入れば入るほど、道路の状況は悪くなり、片側1車線の対面通行ならまだマシ、ほとんど、上の写真のような車1台分の幅しかないような狭い道路です。
1時間走って対向車も、もちろん後続車もまったく出会わないような、そんな辺鄙な土地ですから、そんな道路で充分。
そして、ちょっと幹線道路を外れると未舗装、ダート路になります。
砂利が敷いてある道、砂が踏み固められた道、かろうじて車が通った形跡があるような悪路。。。
この写真のような所へ行くのは、余程の冒険好きかオパール屋しかいないでしょうから、今回は省略。
前置きが長すぎ!
そんな声が聞こえてきたんで、そろそろ本編へ。
【 路面とスピード 】
舗装路と言っても、日本の道路のように綺麗でスムーズな路面の所は稀。
砂利や石ころを無理やりアスファルトで固めたような路面。
そこを時速100キロ、あるいは110キロの制限速度でぶっ飛ばすと、振動もノイズも相当な物です。
そんな路面はタイヤに良いはずありません。
路肩のアチラコチラに、破裂したタイヤの残骸がゴロゴロ。
走行中タイヤが破裂したらどうなるか?
想像してみてください。
日本では、なかなか出来ない経験が出来るはず。
スピードは控えめに!
これが大切です。
110キロの制限速度だからといって、110キロで走らなければならないわけではありません。車に優しい速度を考えて、余裕を持って走りましょう。
【 何処までも続く一本道 】
最初の写真のように、内陸の道路はほぼ直線です。
地平線まで続く道路
最初は感動するものですが、そのうち単調な道路に飽きてきます。
すると当然眠くなっちゃうのが人間の生理。
適度に休憩を取ることがとっても大切です。
Stop Revive Survive (休んで生き残れ)
道端の標識どおり。
【 ロードトレイン 】
道路の電車??
何の事やらわからないと思いますが、これも要注意!
内陸の道路を走るトラック、トレーラーのことです。
ご覧の通り、トレーラーを3台以上繋げた、やたら長いトラック
猛スピードでぶっ飛ばしてきます。
まず、あなたがこんなロードトレインを追い抜く場合、
これだけの荷物を引っ張っていますから、いくらパワフルなトラックでも、ちょっと上り坂になるとスローダウン。
そんな時、追い越ししようとする前に、まずロードトレインの長さを頭に入れておいてください。
トラック3台分を追い抜く、それもかなりの高速で走っているのを追い抜くわけですから、それなりの覚悟が必要。これ大事ですよ。
そして、もし車1台分の幅しかないような狭い道路の場合、追い越そうなんて考えないこと!
舗装路を外れて、追い越しにかかったとたん、砂利に足をとられて横転!
そんな事故の話、よく聞きます。
また、上のビデオのようにロードトレインとすれ違う場合、道をゆずること!
速度を落として、あるいは道路から外れて停止して、すれ違うのを待つこと!
これも大切なルールです。
何しろ車1台分しか道幅ないんですから、どちらかが避けないといけないわけで、そんな時はこちらがゆずってあげましょ。
勝負挑んで、ロードトレインが路面を外れて走るような状況になると、跳ねた石ころが飛んできてフロントガラスにひび割れ、、、そうなるのは確実。自分の為にゆずりましょ。
【 動 物 】
こんな所ですから、そりゃワイルドライフ、動物達もウロウロしています。
また、道路の周囲が牧場で、しかも囲いも柵もないところもあります。
当然、牛ちゃんや羊ちゃん達は野放し、道路上でうたた寝なんて光景も。。。
そしてオーストラリアを代表する動物、カンガルーちゃん、、、
道路わきをピョンピョン跳ねているのを見たあなたは、きっと感動しオーストラリアを実感することでしょう。
でも、
彼ら、彼女達は平気で車の前を横切って行きます。
万が一、ぶつかってしまった場合に備えて、我々の車にもカンガルーバーという特殊なバンパーをつけていますが、それでも可愛いカンガルーちゃんとぶつかりたくはありませんものね。
道端には不幸にも車とぶつかっちゃったカンガルーや羊、エミューや牛などなど、動物達の亡骸が累々と・・・
昼間はもちろんですが、明け方と夕方は特にカンガルーたちが活発な時間帯。特に注意が必要。
夜走るなんて考えは忘れること!
ドライブは太陽が充分登った時間帯だけにする!
【 踏まない 】
タイヤの残骸や、不幸にも轢かれてしまった動物達、
道路はまるでゲームのように障害物だらけ。
カラスや猛禽類につつかれて、骨と皮だけになった亡骸の上を絶対に走らないこと!
案外、これら動物達の骨は鋭いものです。
パンクの原因になりますので要注意!
前方に鳥たちが集まっているのが見えたら、徐行して避けて通りましょう。
また、これも注意!
何ていう植物なのか?定かではありませんが、鋭いトゲトゲのあるこんな塊が、風に吹かれてくるくると路上を舞っています。
このトゲトゲ、スニーカーやサンダルの底を簡単に貫通するくらい強烈です。
普通乗用車のタイヤなんかももちろん!
枯れ草だと思ってなめてかかると後悔しますよ。。。
踏まない、乗らない。
大事大事。。。
【 燃料、水 】
内陸に入ると、幹線道路でも町と町の間隔がもの凄く広くなります。
ガソリンスタンドのあるそこそこの規模の町(それでも、人口数十人の規模ですが・・・)が200キロ以上離れていることもザラ。
途中の誰もいない、ブッシュの只中で、行きかう車もほとんどない場所で、ガス欠!
結末はご想像どおり。
ガソリンスタンドを見つけたら、とりあえず給油!
これは命にかかわる重大事ですから、どうぞ肝に銘じておいてください。
出来れば、念のために20リットル程度のガソリンを石油缶に入れて持っておくのが最良。
それと、人間と車用にやはり最低20リットルくらいは水も用意しましょう。
そして、もし、もし、不幸にもどこか不毛の地でガス欠、あるいは故障で止まってしまった場合は、車を離れずじっと待ちましょう。
車を離れた為に、脱水症状となり亡くなってしまった人達、それもアウトバックのプロであるべき森林レンジャーのニュースは、まだ記憶に新しいところです。
準備を万端に、そして行動予定を宿泊するホテルなどに知らせておいて、万が一の時には探してもらえるようにしておくことも重要です。
以上、ちょっと長くなってしまいましたが、アウトバック旅行術、
「ちょっと大げさだよ」
そんな風に考えず、準備を充分にして、思い出に残る(もちろん良い思い出に)素敵な旅をしてください。
ご質問など、ご遠慮なくどうぞ。
曇り空のゴールドコーストです。
こんにちは
藤本と申します
ブログ
とても参考になりました
良ければ
ブログ以上のアドバイスあれば
いただけませんか?
実は今、オーストラリアで
シドニーからダーウィンまで
妻と2人、キャンピングカーで
縦断してます
現在、アデレード手前の
ヤンバックレイクの
オートキャンプでの宿泊中です
ここで知り合ったオージーに
この様なアドバイスをもらいました
1
アポリジには危険
見かけても車を止めるな!
2.
内陸にいくのはアメージング⁈
食料、水を充分用意していけ!
以上です
僕からは気になるのは
補給ポイントです
ガソリン、水、食料などは
平均距離?
1番長い距離はどれくらいありましたでしょうか?
よろしくお願いします
藤本さま
コメントありがとうございます。
まさにオーストラリア縦断のドライブですね。
良いご旅行にしてください。
おそらくスチュアートハイウエイを北上されるのだと思います。
私自身、このルートをドライブしたことがありませんので、補給ポイントなどについてアドバイス差し上げることはできません。
ですが、内陸のルーとをドライブする時には、ガソリンスタンドがあれば必ずガソリンを補給するくらいの気持ちが大事だと思います。
“アボリジニは危険”ではなく、だれもが危険だと考えて、安易に停車することは避けるべきです。
ハイウエイを行くのであれば、最近は路面状態も随分とよくなっていますので問題はないと思います。
あとはやはりカンガルーやエミューですね。
夜間はもちろん、早朝や夕方も彼らは飛び出してきますから、この時間帯は走らないようにした方が良いと思います。
7月8月と、“冬”の時期を迎えます。
昼間は十分暑い気候でも、夜間は急激に冷えますので、この点の対策も忘れずに、楽しいご旅行をしてください。
返答
ありがとうございます?
返信遅くなり
大変失礼致しました
余裕がなく
日本に帰国して今頃気がつきました
無事にダーウィンまで辿り着き
楽しい旅となりました