はるか古の大地
人類の存在など、夢のまた夢であったころ。
オーストラリア大陸の中に大きな海が存在しました。
現代の私達は、今では失われてしまったその海を、“Eromanga Sea (エロマンガ海)”と呼んでいます。
“エロ漫画”でもなく、“えろマンガ”でもないのは以前もご紹介済み。
現在のエロマンガと言う小さな町を中心に、オーストラリア内陸には大きな海、内海が存在していました。
内海と言うくらいですから、そのサイズはたいへんなもの。
先回ご紹介した“Great Artesian Basin (大鑽井盆地)”をひとまわり縮めたくらいの途方もない大きさです。
先日の地図にエロマンガ海を重ねてみると、こんな感じ。
まさに、この海の存在がオパールに深く関わっているのが想像できます。
今から約一億年前のオーストラリア。
内陸に広がる大きな海。
内陸とはいえ最深部では、その深さは1000メートルを超えていたようです。
一方その沿岸、ビーチには、静かな波が打ち寄せ、多くの植物そしていろいろな生物の営みが繰り広げられていました。
現在のビーチ同様、多くの海草や貝殻が波に運ばれ、打ち寄せられ、堆積していきました。
そんなゆったりした時間、このエロマンガ海のビーチ沿いには大量のケイ酸塩、そうオパールの成分となるケイ素が沈殿していったのです。
ある時を境に、エロマンガ海は後退をはじめます。
いつの間にかこの大きな海は地底深くに閉じ込められてしまったのです。
徐々に水分が抜けて行き、残されたケイ素は周りの環境に影響されつつ、長い時間をかけてゆっくりと虹に変わっていきます。
エロマンガ海が地下に沈み“Great Artesian Basin (大鑽井盆地)”に姿を変える過程で、オパールは地表近くに取り残され、置き去られ、そして全ての色を封じ込めてひっそりと発見されるのを待っていたのです。
オパールが1センチ育つのに約600万年の月日が必要と言われています。
一億年前の太古の時代から、何百万年もの時間をかけて生み出されたオパール
そろそろ採り尽くされてしまうようです。
上の地図を見て、エロマンガ海に思いをはせると、まだ発見されていないオパールがオーストラリア内陸にあるのかもしれません。
いえ、きっとあるはずです。
きっとどこかにひっそりと。。。。
快晴のゴールドコーストです。