ご無沙汰してます。こちらへ戻ってから、あれやこれやと雑務が重なり、ブログもほったらかし状態でした。
11月最初のお話は、オパール業界、特にブラックオパールをめぐるホットなトピック(?)、お届けします。
Opal Associationという業界団体があることはこれまでもご紹介してきました。
主にブラックオパールとボルダーオパールに関わる人間や業者が集まり、オーストラリア産オパールの正確な情報を啓蒙すると同時に、不誠実、不正確な方法で販売をするような業者に警告をし、オパールのマーケット自体を健全なものにしようと活動している団体です。
定期的にミーティングをし、そのたびに話題に上がるのがやはり不正確な販売方法をしている業者のこと。
ここ一年ほど問題になってきているのが、“ブラックオパール”という名称の取り扱いかた。
エチオピア産オパールを処理してブラックオパールと称し販売する業者がものすごく増えているということです。
ebay などをはじめとするネットでも、ミネラルショーなどでも、“エチオピア産ブラックオパール”と、産地だけでも正確に記述しているのなら良いのですが、中には“ライトニングリッジ産ブラックオパール”と正々堂々とうたって販売している業者もたくさん見受けられるんです。
ちょっとオパールに詳しい人であれば、本当のライトニングリッジ産ブラックオパールと、こうしたエチオピア産処理ブラックオパールの違いは明白なのですが、一般の消費者には、しっかり騙されてしまう人も。
そうした“偽物”の存在は、消費者はもちろん、私達業者にとっても良い訳がありません。
Opal Associationでは、メンバーたちからそうした不誠実な業者の情報を集め、それぞれ書面で注意を促したり、是正を求めたりしているのですが、世界中を相手に、すべてに対応できるわけでもありません。
もちろん警察権があるわけでもありませんから、そうした業者を摘発するわけにもいきません。
そこで、常日頃から、各メンバーがそれぞれの顧客やマーケットへ正確な情報を伝えるべく活動をし、消費者の皆さんに注意を促しています。
また、オパール自体を処理するのではなく、撮影した画像を加工や処理をして販売しているネット業者にも注意が必要です。
簡単な画像処理ソフトで、そのオパールの見栄えをずっと良くし、購入者を欺く“悪い奴ら”は、日本のオークションサイトやショッピングサイトにもたくさんいます。
たとえばこのブラックオパール。
地色が少々薄く、全体的に“ぼやっ”とした感じ。
これを指先ひとつで、
“ピリッ”とした上質のブラックオパールに早変わり。
こんな“モヤッ”とした赤斑も、
“キリッ”とした赤へ、あっという間に変身!
こんな写真に惑わされて購入したあなたは、商品が手元に届いて「ガッカリ、、、」ということになるわけです。
はたまた最近はこんな輩も、
最初の写真と同じこれは、実際にebayで販売されているエチオピア産オパールの写真です。
矢印のところ、お分かりになりますか?
まったく形も色も表情も同じ斑が、、、、
いわゆる“コピペ”処理。
似かよった斑が現れることは天然でもまれにあり、まったく存在しないとは言い切れませんが、何故かここの業者さんの扱うオパールには、こんなソックリさんがたくさんいます。
タイの業者さんなのですが、それでも90パーセント以上の高評価を得ている業者さんです。
現在も販売中ですので、この場で直接皆さんにお見せすることは控えるとして、下のリンクに簡単な動画を作ってみましたので、一度ご覧ください。
(ちょっと心霊写真みたい・・・)
いつも「やっぱり写真より実物の方がずっときれい!」
そんな声に自分の撮影技術の拙さを実感する私ですが、そんな皆さんのコメントも“正直者”と褒められているんだと勝手に解釈して納得しているのも私です。
皆さん、どうかお気を付け下さい。
そして、もしそんな売り方をしている業者さんを見かけたら、是非ご一報ください。
追記;そんな処理を探しながら見るebayも、ある意味面白かったです。一度、皆さんもそういう観点で見てみては?
眩しい日差しの、夏のゴールドコーストです。