いつの時代も、どんなところでも、楽して一攫千金!ばかりを追いかける人はいるもんです。
オパールの世界も一緒。
苦労ぜずに手っ取り早く、
そんなネズミが出るんです!?
鉱夫たちは怒りと蔑みの意味を込めて、こうしたヤツラを、“ Ratter (ラッター) ”と呼びます。
Rat、ネズミから派生したこの言葉、辞書を引いてみると、
1. ネズミを捕る人や動物、ネズミ捕り
2. 裏切り者、変節者
こんな風に訳されています。
ちょっと内容の厚い辞書には、
(豪)他人の鉱山からオパールを盗む人
とオーストラリア独特の言い回しが記述されています。
そうまさにこの辞書のとおり、よそ様の鉱山に勝手に忍び込み、オパールを盗んでいく悪い奴らのことなんです。
昼間は、正当な権利を持っている鉱夫たちが採掘していますから、さすがの Ratter 達も盗掘することはできません。
Ratter たちの活躍するのは、そう “ 夜 ”。
鉱夫たちが採掘を終え、いつものようにパブでビール飲んでベッドに帰るころを見計らって、ネズミどもは活動を始めるのです。
「Bobのとこで良いオパール採れたらしいゾ!」
とか
「Tomが良い鉱脈にあたったって!」
そんな噂を耳にすると、ネズミたちはその匂いを嗅ぎつけて、コッソリと BobやTomの鉱区へ忍び込んでいくのです。
多くのお金と、長い時間、そしてたくさんの汗、苦労してやっとたどり鉱夫たちが手にしようとしている報酬を盗んでいく、まさに泥棒ネズミ。
ネズミたちの狙いは、何もオパールだけではありません。
採掘に使う重機や機械、はてはガソリンまで、金になるものは何でも彼らのターゲット。
もちろん鉱夫たちも黙ってはいません。
夜間の見回りをしたり、ガードマンを雇ったりと、ネズミを寄せ付けないようにしています。
でも、最近は“手っ取り早く金になる”、そうしたオパールや機材を狙って、立派な銃を持った乱暴なネズミも増えてきて、実際に鉱夫やガードマンたちに向かって発砲する事件も多発しています。
そんな危ないネズミが徘徊する中、自分たちも銃器を持って武装する鉱夫もいますが、ほとんどの鉱夫たちは、別の方法でネズミ対策をしています。
ネズミたちを侵入させないように、穴の入り口に檻を張り巡らせて鍵をかけたり、
機材やガソリンタンク、そしてバッテリーを守ったりして、自分たちの大切な財産を保護するようにしています。
毎日砂だらけになり、
落盤など事故のリスクに立ち向かって、
指がボロボロになるまで、
ガンバって採掘している鉱夫たち。
そんな鉱夫たちの上前をくすねるようなネズミたちは、絶対に許すことはできません。
ユーカリの枝から首をつられた案山子、そして
Hang Ratter !
ネズミをつるせ!
こんなサイン。
ネズミ野郎に対する鉱夫の怒りをあらわしています!!
オパールの世界は、こんな危険もいっぱいです。。。