すべての物が、そしてすべての事が、自然のイタズラ、偶然の産物 。。。
みなさんご存じの通り、オパールは二酸化ケイ素と水でできています。
小難しく化学式で書くと、「SiO2・nH2O」、とこうなります。
ひとつの二酸化ケイ素に、“n”個の水がくっ付いているという事を表しています。
水の“n”個のnは、そのオパールの産地や種類により異なり、いろいろなオパールのバラエティのひとつの原因になっています。
ケイ素(Si)は、地球上に極々普通に存在する、普遍的な、それでいて大切な物質のひとつです。
そのケイ素と酸素を主成分とした鉱物 SiO2は、鉱物学的には「石英、Quartz(クオーツ)」と呼ばれる仲間に分類されます。
その SiO2が集まりひとつの大きな結晶となったのがご存じ 「水晶、Rock Crystal(ロッククリスタル)」
SiO2の微小な結晶が集まったものが 「メノウ、Agate(アゲート)」
そして、結晶を作らず、水やその他の物質と混ざり合って、微細珠型構造が並んだものが 「オパール」と呼ばれる宝石になります。
もとは同じでも、周りの環境でその表情も性質も大きく異なる結果となる、まさに自然の気まぐれの産物。
前置きが長くなりました。
そんなオパール自体にも、やはり気まぐれの名残が見られます。
それは「内包物、Inclusion(インクルージョン)」と呼ばれる“ゴミ”です。
最初の写真の美しいブラックオパール
リボンパターンを見せてくれる希少なオパール
お気づきのように斑を区切るように黒いラインが走っています。
これは“ポッチライン”と呼ばれる、ブラックオパールの母岩部分が嵌入した内包物の一種。
そして、
このブラックオパールにも、黒いポッチラインと白い点、砂岩の嵌入が見られます。
ポッチラインで綺麗に仕切られ、斑をより一層強調しているような表情
こちらのブラックオパールにも、ポッチラインが見えます。
内包物=ゴミとして、余計者のようにとらえると、歓迎できる存在ではありませんが、これまでの写真のように、オパールの表情を彩る特徴の一つとして考えると、決してマイナスだけの存在ではなくなります。
「このポッチラインがこんな風に入った時、何が起こったんだろう」
想像力を刺激されます。
こちらはボルダーオパール。
まるで雲が浮かぶような、白いインクルージョンが見えます。
これは内部の構造が少し乱れ、色を見せることのできない、「コモンオパール、Common Opal」と呼ばれる、まぎれもないオパールです。
山麓の上に伸びた雲の一筋
これもコモンオパール
こちらは黒っぽい筋となってコモンオパールが見られます。
いったい、この時に何があったのか!?
こちらもボルダーオパール特有の表情
母岩の鉄鉱石がオパール中に嵌入したものです。
薄茶色のインクルージョンを取り囲むように色の層ができています。
「いったい、何があったんだろう?」
そしてこのオパールの表情
どんな環境の変化がこんな縞模様を、それもこんなにカラフルに、、、
右側のピンファイヤー、点々と、左のシャフ、紙ふぶきのような表情の違い
この境目に何が?
?????
全てが地球と時間が産んだ、「偶然の子」たち。
はるか太古に思いをはせて、、、
今夜もお酒が進みます。
タイヤの跡?
いったい何が?!