雨の多いこの頃
夏ももうすぐ終わり
セミの騒々しい鳴き声が遠くなり、代わって鈴虫やコオロギの涼しげな音色が聞こえるようになってきました。
今にも降り出しそうな、そんな空模様を眺めていると、ふと彼ら、そうコアラちゃんに思いをはせてしまいます。
ゴールドコーストの自宅裏には自然をそのまま残した保護エリアが広がっています。
一回りするには半日もかかるような、かなり広いその保護区にはカンガルーはもちろんのこと、トカゲなど爬虫類から様々な鳥たちまで、たくさんの野生生物が生息しています。
もちろん皆さんお気に入りの『コアラちゃん』も !
カンガルーと比べ、そのお姿を見ることは多くはありませんが、声、鳴き声を耳にする機会はよくあります。
繁殖期にオスがメスを誘うために鳴くんだそうです。
でも、私には雨が降りそうなとき、あるいは降り始めたときに、その鳴き声をよく聞いたような気がします。
こんなモコモコ、ポアポアだから、さぞ可愛らしい声を聞かせてくれるのか、想像してみてください。
ネコのように 『みゃー』と鳴くのか?
子犬のように 『キャン』なのか?
はたまた 『ウオンッ』なのか?
どうぞお聞きください。
どうです、期待を裏切る “ 美声 ” でしょ。
雨が降り出すと、どこからか必ずこんな鼻声が聞こえてきます。
日本からお客さま方がいらっしゃると、この保護区にご案内して、オーストラリアの自然、カンガルーや鳥たちに触れていただきます。
もちろん野生のコアラの姿もお見せしたいのですが、これがなかなか難しい。
生い茂ったユーカリの木立の中に、ほとんど動かないコアラの姿を見つけるのは根気とコツのいる作業。
私の “ コアラハンター(?) ” としての長年の経験からあみだした方法のひとつが、
鳴いてみる
ことです。
大きく息を吸い込んで、目いっぱい鼻にかけて
『 ンゴォ、ンゴォ、ンゴォ 』
そんな調子。
周りにコアラがいれば、かなりな確率で鳴き声で答えてくれます。
鳴いてくれれば、あとその姿を探すのは簡単。
動物園でコアラをだっこして写真を撮った日本の皆さんも、野生の森にいるコアラを見ると感動していただけます。
こんな姿と声のギャップ!
これもドラマチックな自然の結果です。