今回の東京ミネラルショーで気付いた点、もうひとつ。
ボルダーオパールの “ ボルダー ” の意味を誤解していらっしゃる方が多いということ。
そんなわけで、今日は、あらためて “ ボルダー ” についてお話させていただきます。
ミネラル初心者の方だけでなく、かなりなミネラル通の中にも誤解している方がいらっしゃって、話の途中で「どうやら誤解しているようだゾ」と感じることも 。。。
そもそもボルダーオパールの “ ボルダー ” は、英語の “ boulder ” から来ています。
アメリカ合衆国コロラド州、ボルダー市から名付けられていると勘違いしている方もいて、つまりはボルダーオパールというのはアメリカ合衆国コロラド産と思い込んでいた方々も!?
英語の“ boulder ” とは “ 岩 ” という意味。
最近はボルダリング(bouldering)というクライミングスポーツがずいぶんと有名になってきましたから、このボルダリングのお話を引き合いに出すと、皆さんすんなりと “ ボルダー = 岩 ” を理解してくださるようになったのはありがたいコトです。
そこでボルダーオパールのお話です。
最初の写真がボルダーと呼ばれる由縁の岩の塊。
そしてこれがボルダーオパールの原石です。
鉱山では、オパールを含んでいるとあたりを付けたボルダーを採掘し、それをひとつひとつ割っていくことでオパールを探していきます。
大きなボルダーを丁寧に割っていきます。
ハンマーをボルダーに打ち付ける作業が炎天下の元、ただひたすら 、、、、
このボルダー、鉄鉱石ですから、結構な硬さがあります。
やみくもにハンマーを使っても、跳ね返されて手がしびれるだけ 。。。
そこは経験に裏付けられた眼と勘で、ボルダーの “ へそ ” を見極め、そこめがけてハンマーを打ち下ろします。
上手く “ へそ ” にあたると、固いボルダーもパカッと気持ちよく割れてくれます。
70過ぎても、この腕!
毎日のハンマー使いのたまもの、です。
こうしてひとつひとつ割りながらのオパール探し
運の良い時はひとつ目から続けて出ることもありますが、ほとんどの場合は割れども割れども見えるのは赤褐色の塊だけ 。。。
ボルダーオパールとは、
ボルダー、岩の塊の中に形成されたオパールだから
ボルダーオパールと名付けられたのです。
最初の写真のボルダーも、内部は、
このように、オパールの層が形成されています。
ブルーの色を見せてくれる表情
実際はこの向き(上下)で、長い年月をかけて形成され、発見されるまでさらに長い時間をオーストラリアの赤茶けた不毛の大地に眠っていたオパール。
ボルダーに包まれて大切に育まれてきたからボルダーオパール。
良かったら憶えておいてください。
もう「 ホルダーオパール 」、「 ポルダーオパール 」なんて呼ばないで 。。。
さて、このボルダーオパールの原石、見事にふたつに割れた状態(“ ナチュラル・スプリット / Natural Split ” と呼びます)の珍しい原石を出品しました。
ご興味がある方は、下のリンクよりご覧ください。
オーストラリア、アラルーエン鉱山産天然ボルダーオパール原石 DL152