今年も残りわずか。
2016年もたくさんの方にオパールの魅力をお伝えしてきました。
でも、その裏側、悲しく残酷な面をあえて避けてきた自分がいます。
今日は、その裏面のお話をさせてください。
2016年11月、そう先月です。
悲しい事故が発生してしまいました。
それも二件も。
一件は、ボルダーオパールの産地ウイントン近郊で起きた落盤事故。
ベテラン鉱夫のS
いつもどおりだったのか?
それとも、その日に限って無理をしてしまったのか?
崩落した岩盤が彼の命を奪ってしまいました。
もろい岩肌、そしてそこにあるオパールへの想い。
友人の鉱夫に発見されたのは、事故の数日後でした。
事故原因は、横穴の補強処理をしていなかったこと。
そしてもう一件は、ブラックオパールの産地、ライトニングリッジの Mulga Rush で起きてしまいました。
ブラックオパールの採掘をする場合、地下へ10メートルほど掘ったところから横へ掘り進んでいきます。
採掘した土砂を地上に持ち上げるために使われているのが、“ Hoist System ” と呼ばれる巻き上げ機。
地下から地上へと、土砂を運び上げるこのバケツ、採掘にはなくてはならないもの。
でも、今回の事故は、これが一人の鉱夫を死に至らしめてしまいました。
何らかの不具合から、このバケツがコントロールを失い、穴の底にいた鉱夫へ落下。
一緒にいた仲間の通報で病院に運ばれましたが、残念ながら彼を助けることはできませんでした。
普通、このシステムの真下に立っていることは考えられません。
おそらく、いつもどおり働いてくれないこの機械を何とか直そうとしていたのでは?
そう事故調査官は推測しています。
過酷な環境の中、もちろん鉱夫たちは自らの安全に気を配ってはいます。
でも、つい無理をしてしまう、ダイジョウブと過信してしまう瞬間があります。
小さなケガや事故はつきもの。
時には今回のように命さえも。
綺麗にディスプレイされ、多くの方々の眼を楽しませてくれる宝石たち。
そんな宝石たちの裏側には、いろいろな人たちの、様々な努力や苦労、そして犠牲があること
今日は少し気づかってみてください。。。
そして、その上で、地球が生んだ宝を、楽しんでいただければ、
私たち、採掘に関わる人間への、最高のご褒美です。
R.I.P
※ 写真は全てイメージです。 写っている人物や場所は、ご紹介した事故とは一切関係ありません。