本当は言いたくないのである
オーストラリアの自然、風景、風物、そして人々の悪口など。
でも、言わずにいられないのである。
オーストラリアの事を想うが故、言わなければならないのである。
ゴールドコースト空港のジェットスター航空は、とうとう出発に際しての有人カウンターを廃止してしまった。
搭乗者はバーコードスキャナーの付いた自動チェックイン機でチェックインの手続きを済ませ、同時に受託手荷物の個数を登録、印刷されてくる預け入れシールを受け取ることになる。
ここまでは、たいへん良い。
これまでチェックインカウンター前にできていた長蛇の列も見られず、至極効率的である。
問題はここから。
チェックインを済ませた搭乗者は、かつてチェックインの有人カウンターが有った場所へ、荷物を預けに向かう事となる。
重さをはかる計量台に荷物を乗せ、誤差の許されない辛辣な機械で追加料金の有無を調べられるのである。
この時、その計量台の前にはジェットスターのスタッフが“ぬぼっ”と突っ立っているのである。
彼ら、彼女らは決して搭乗者であるあなたの顔を見ること無く、挨拶どころか口を開くことすらも無駄な事のように寡黙であり、もちろん人間らしい笑顔を見せることもない。
唯一動かすのは指、
それも人差し指一本だけ。
まずは、貴方の荷物に向って一本指。
と思うと、その指を計量台へ。
賢明な貴方は、荷物を乗せろと言っていると理解するはずである。
この一連の流れるような彼ら、彼女たちの動作が乱れるのは、荷物の置き方が気に入らない時のみ。
荷物が倒れないよう、スーツケースをフラットな状態に置くと、すかさず彼ら彼女たちの指先は再び動き出すのである。
貴方のスーツケースの持ち手部分を指し、くいっと指を上に曲げるのを目にすることとなる。
その間、彼ら、彼女らは、貴方の顔も見ず声をかけるでもなく、あるいは仲間内の会話に終始しているのである。
オイ!
お前は機械か?
口がきけないのか?
コアラやカンガルーに出会い、美しいビーチを眺め、最高の思い出をこの国で作って旅立っていく。
そんな旅行者たちが最後に会うのが、彼ら、彼女達。
素晴らしい思い出が、最後の瞬間に地に落ちる
オーストラリアという素晴らしい国のイメージが、下手すると最後のこの瞬間でマイナスになってしまう。
機械化、ローコスト化のしわ寄せは仕方ない。
今後、こうした流れはますます進んでいくはず。
カウンター業務を機械に奪われ、単なる案内人・管理人になってしまったと考える彼ら、彼女たちの気持ちも分からないではない。
でも、おはようの一言、さようなら、また来てね、の言葉が、この国を離れる人々にどれだけ影響するか?
旅行者がいての航空会社であり、スタッフである。
リピーターになってくれるかもしれない旅行者たちを大切にしないでどうする!
久しぶりのオーストラリアを満喫した今回。
最後の最後に体験してしまった、ちょっとした出来事。
近い将来、計量器の前での彼ら、彼女たちの役割も必要なくなるであろう。
いかに機械化が進み、どれだけAIが普及しようとも、やはり人間は言葉が、ふれあいが必要なのである。
そんなことを、再確認させられた出来事。。。
たくさんの観光客が日本にもやってくる。
彼らには日本を好きになって帰ってもらうため、
自分も行動しよう。
そう決意させられた出来事。。。
日本に戻って1週間、やはり言わずにいられない出来事でした。
乱文、失礼いたしました。
↓