おわかりでしょうか?
そう、“ ダブレットオパール ” です。
基本、私たちはダブレットオパールやトリプレットオパールなどを販売することはありません。
ですが、極まれに、これらを指定したオーダーをいただくことがあります。
そのため、ある程度の数を在庫として常に持っています。
いっぽうこちらは同じダブレットでも、私の手元に来た経緯はちょっと違います。
「オパールの色が変わってきちゃったんだけど、、、」
とか
「色が抜けて、白っぽくなっちゃた、、、」
こうしたお問合せをいただくことが少なからずあります。
確認するために送っていただいたオパールが、上の写真のものです。
そう、色変わりの原因のほとんどがダブレットオパールやトリプレットオパールなど、張り合わせオパールであるためです。
いちばん手前の部分、白っぽくなっているのがご覧いただけるかと思います。
これが“色変わり”、“色抜け”の正体。
多くの場合は、水気に触れることで、張り合わせ面に水分が入り込み、そこの接着剤が溶けてしまう、あるいは剥がれてしまうことが原因です。
上のダブレットオパールの場合は、お水に浸けたわけではないのですが、どうやら自然に接着剤が剥がれてしまったよう。
お問合せをいただいた方のほとんどは、まさかご自分の大切なオパールが張り合わせとは思ってはいず、水気を避けなければいけないなどと考えたこともなかった方ばかりでした。
どのように入手されたか尋ねると、オーストラリア旅行でご購入された方、お土産としてプレゼントされた方、日本のネットや通販でご購入された方と、その経緯は様々。
また、ほとんどがリングになっていたものでした。
次に、こちらの写真をご覧ください。
縦方向に大きな割れ、キズが入ってしまっています。
このオパールも、もとはリングとして愛用されていたもの。
「ぶつけて割れてしまったから修理をすることはできますか?」
そんな落胆のご連絡をいただき、お預かりしたものです。
爪ではなく、オパールの周囲をゴールドで囲んだ“ベゼルセッティング(ふくりん留)”のリングでした。
キズの状態から修理は難しいことをお伝えしつつ、出来るだけのことをするためにオパールを台座から外す許可をいただき、オパールを外してみたら!
ご覧の通り、ダブレットオパール。
おそらく、ライトニングリッジ産のクリスタルオパールをブラックオパールの母岩に張り付けたもの。
上部のオパールが厚く形状もきれいなカボションだったため、リングの状態でこれを“張り”と見分けられる方は、ほとんどいなかったと思います。
さらにこのリング、日本国内の宝飾店で購入されたとのこと!
そして、なんと、天然ブラックオパールとして鑑別書も付いてきたとのこと!!
真実をお伝えした時の、持ち主の方の驚きの表情、今でも忘れられません。。。
裏に残る接着剤
かなり古いものなのかもしれません。
ご購入されたお店もすでになく、正確な情報はわかりませんが、おそらくそのお店でも天然と信じて販売されたのでしょう。
割れてしまったから故に明かされた真実。
似た表情のブラックオパールをお選びいただき(ルースの状態で見ていただき、天然であることをご説明したうえで)、リングを作り直してお納めをしました。
驚き、そして残念がっていらっしゃったそのお客さまも、新しいリングを見て大きな笑顔を見せてくださいました。
こちらは最高級品質のダブレットオパール。
これくらいきれいなものだと、そのお値段も結構なものになります。
でも、もちろん天然よりはグッとリーズナブルです。
知っててご購入されるのであればOK!
でも、知らずにだと、、、
こうしたお話はオパールだけでなく、ダイヤモンドが実はダイヤモンドじゃなかったり、ルビーがルビーじゃなかったりと、他の宝石でもあることです。
ミネラルショーなどで購入されたダイヤモンドや色石をジュエリーにと、製作のご依頼をいただきます。
時おりそうしてお預かりしたものの中に「実は ~ じゃなかった」なんてこともあります。
どうぞ皆さん、お気を付けくださいね。
オーストラリアでもこんなこと、ありました。
どんなバレンタインをお過ごしですか?
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