過去一度だけ日本産の“蛍光性”を持つオパールを紹介したことがあります。
今日は「蛍光と言えばコレ」というくらい、蛍光オパールの代表、ハイアライトオパール(Hyalite Opal)をご紹介します。
日本語では、“ 玉滴石 ”と呼ばれるこのタイプのオパール。
まさに字のごとく、透明な水滴を集めたような形状が美しいオパールです。
日頃ご紹介しているオパールのように、色の変化、遊色を見せない、“コモンオパール(Common Opal)”の一種ですが、その一番の特徴は蛍光性を有することです。
上の写真のものも、紫外線を当てることにより美しい緑色に蛍光します。
緑色に光る部分がハイアライトオパールです。
透明なオパール部分が、紫外線を受けることによって見事に蛍光しています。
その形状や蛍光の強さは、モノによりさまざまで、
このように “ Schorl ” と呼ばれる “ 黒いトルマリン ” と共生するもの。
スモーキークォーツ(Smorkey Quartz)と共生するもの
あるいは、
いろいろな鉱物と混ざり合うような形状のものなど、その産出形状は様々です。
水と二酸化ケイ素を主成分とする点では他のオパールと同じですが、内部構造が遊色を見せてくれるオパールのように、きれいな粒状の構造をしていません。
その形成される段階で、アルミニウムや鉄、あるいはウランなどの元素が取り込まれます。
この “ ウラン ” が蛍光性の原因です。
ウランと聞くと放射能 → 危険 と考えがちですが、ハイアライトに含まれるウランはたいへん微量でなので、我々の健康に影響するような害を与えることはありません。
透明感のある原石は、研磨されルースとして見かけることもあります。
しかし、小さな塊が集まっているような形状ゆえに、0.5ct を超えるような大きなサイズのルースを見ることは稀です。
これは 0.5 ~ 1.0 ct 前後のハイアライトのルースですが、このサイズと透明感はとても希少です。
もちろん蛍光性も楽しむことができます。
この位のサイズですと、リングなどにして、その独特な個性を楽しんでいただくことも。
ミネラルショーでよく見かけるハイアライトオパールは、メキシコ産のものがほとんどですが、それ以外の国、例えばアメリカやハンガリー、チェコやオーストラリア、そして今日写真でご紹介した “ ナミビア(Namibia) ” などでも産出されます。
昨年、ナミビア産の鉱物を専門に扱うドイツの業者さんとたまたま知り合い、蛍光の強い、形状のユニークなハイアライト原石を入手しました。
オンライン店“ オパールダイレクト ” ではご紹介することはほとんどありませんが、ミネラルショーではルースも含めて、個性的な原石類をご覧いただけますので、こちらも是非楽しみにいらしてください。
ナミビア産には、こんなまるで綿菓子のような、雲のような、サンゴのような、変わったものもあります。
ブラックオパールやボルダーオパールなどとは違った魅力を楽しんでください。
今日はハイアライトオパール(Hyalite Opal)をご紹介しました。
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