昔々、オーストラリアにパスコという男がいました。
パスコは一攫千金を求め、単身オーストラリアにやってきた希望あふれる若者でした。
パスコは考えました。
オパールを掘って大もうけ、オパール界の“BIG SHOT(大物)”になってやる!!
ですが世の中そんなに甘くはありません。
くる日もくる日も夢を追い求めて掘り続けますが、でてくるのはガラクタばかり。
このままでは、敗残者になってしまう。そう思った彼は別の道を歩むことにしたのです。
鉱山を離れ、都会に出ては『オパールの大きな鉱脈を見つけた。でも資金が足らなくて。。。。』とあらゆる人たちに声をかけていったのです。
もちろんそんな話をすぐに信じる人がいるはずもなく、彼はますます自分を追い込んでいったのです。
主だったオパール業者をまわっては、『最高級ブラックオパールの在庫をたくさん持っているけれど、興味はあるか?』とか、『俺に任せておけば商品の心配は要らないよ。』とか、『次に来るときはたくさん持ってくるから。』等など大風呂敷広げまくりの話の数々。
そのうち、彼は業界内でとても有名になっている自分に気がつきました。
そう“大ぼら吹きのパスコ”として。
ある意味、オパール界の“BIG SHOT”になっていたのです。
でも、もう彼の話を真剣に聞いてくれる人は誰もいませんでした。
【 完 】
このお話、彼の名前以外はすべて実話です。
それほど悪い人間には見えない彼なのですが、口から出る言葉は大きなことばかり。
今でもライトニングリッジに住んでいるのか定かではありませんが、街の有名人であったことは間違いありません。
宝石という欲望を刺激する世界には、いろいろな人間が群がっています。
えっ、私もそのひとり????????。
朝方振っていたどしゃ降りは止みましたが、
怪しい空模様のゴールドコーストです。