カンガルーやコアラ、クジラやペンギン、アザラシと、訪れる観光客たちを楽しませているオーストラリアの野生動物たち。
でもあまり遭遇したくない、近づきたくないヤツらもいます。
オーストラリアはアメリカについでサメの被害が多い国です。
サーファーが襲われた、泳いでいた女性が被害にあった、などのニュースはよく耳にします。
こうしたサメの中でも、一番獰猛で、結果が悲惨なものになるのが“Great White Shark(ホオジロザメ)”の被害。
オーストラリアの南側に生息しているこのサメは、映画 「JAWS」のモデルにもなったたいへん有名な種類です。
そんなGreat White Sharkに襲われて、何とか生還したダイバーのお話です。
息子や仲間数人とアワビ漁をしていたエリックさん。
透明度の悪い海中で、サメにはまったく気がつかなかったそうです。
「噛まれた!」と感じたとたん、振り回された彼、きっと何が起きたのか分からなかったのではないでしょうか。
頭を噛まれ、次の瞬間には胸まで呑み込まれてしまった彼にできることは、持っていた(アワビを岩からはがすための)ノミで心細い抵抗をするだけ。
でもやってみるもんです。
ノミを頭に受けたサメは、彼を放して泳ぎ去って行ったのでした。
息子たちに助けられたエリックさんは、鼻の骨が折れ、胸の周りにはサメの歯型が。
頭から呑み込まれかかっている父親の姿。
息子にはさぞ衝撃的だったでしょう。
彼にとってもうひとつ幸運だったのは、ダイビングの重りとして着用していたベスト。
鉛の入ったベストを着ていたおかげで、噛み千切られなくてすんだと後に彼は言ったそうです。
今回エリックさんが襲われたGreat White Shrakは、現在では生息数が激減してオーストラリアでは保護動物に指定されています。
昨年のクロコダイル・ハンターの死亡事故と言い、今回のようなサメによる被害と言い、自然を保護しながら共存していくのは決して簡単なことではありません。
サメに対する逆恨みがおきないよう願います。
真夏なゴールドコーストです。