オーストラリアの検疫体制がとても厳しいことは、旅行に来られたことのある方ならご存知かと思います。
私が初めて来豪したころは、オーストラリアの空港へ着陸する前に、頭の上から防虫剤のスプレーを撒かれたものです。
そんな厳しい検疫態勢も歯が立たない、そんな侵入者のお話をご紹介します。
写真の生き物はクラゲ。
波に漂い、優雅に生活しているように見えてたまに羨ましくなる彼らです。
ですがこのクラゲ、ただものではありません。
たいへん強い毒を持ち、その触手に触れると子供やお年寄り、体が弱っている人間を死に至らしめるこわーい存在です。
これまではクイーンズランド州の北部、ケアンズ辺りの暖かい海域に生息していました。
そのためケアンズなど、北部クイーンズランド州の海岸ではビーチからネット(スティンガーネット)で囲いを作り、その中でしか泳げないようにしてあります。
あるいはウエットスーツのようなスティンガースーツと呼ばれるものを着なければ、海岸での遊泳は危険とされています。
そんな迷惑なこのクラゲ、先週ゴールドコーストから250キロほど北のフレーザー島で初めて確認されたようです。
これまでこんなに南で確認されたことがなく、クラゲ被害など対岸の火事、関係ないと安心しきっていたゴールドコーストの関係者は大慌て。
真っ白いビーチが延々と何十キロも続くゴールドコーストのビーチ。
ここに住む住民の最大の自慢でもあり、大切な観光資源でもあるこの美しいビーチで泳ぐことが危険となってしまったら。
ビーチに点在するスティンガーネット・・・想像できません。
観光業界にダメージを与えるだけでなく、ゴールドコースト住民のライフスタイルをも変えなければならないことになったら。
小さく、監視することもままならないクラゲ。
ある意味、サメより厄介な存在になる可能性充分です。
以前のエントリーでお伝えした、グレートバリアリーフのサンゴ問題。
やはり温暖化の影響はジリジリと身近に迫ってきているのでしょうか?
快晴。キレイな青空のゴールドコーストです。