先日、全国宝石学協会のサイトで紹介されていた新種のオパール。
と言っても合成石。
“MexiFire”および“PeruBlu”と呼ばれる合成オパール”
今日は是非お気をつけいただきたい、宝石の“商品名”、“流通名”のお話です。
※ 写真と記事はまったく関係ありません。
本来、宝石にはその見かたによっていろいろな名前を持っています。
鉱物としての名前(鉱物名)、鑑別書に記載される名前(鑑別名)、そして商品としての名前(商品名、流通名、コマーシャルネーム、トレードネーム、フォルスネーム)。
必ずしも鑑別名と商品名が一緒とは限らない所に問題が発生します。
例えば弊社の場合、商品名が“天然ブラックオパール”だとすると、鑑別名も“天然ブラックオパール”。
いたってシンプルで誤解を与える余地はまったくありません。
しかし、世の中にはまったく一致しない、それどころかまったく別の宝石と勘違いしてしまうような商品名が存在します。
オーストラリアで採掘される美しい緑色の表情を持った“クリソプレーズ”。
これはよく“オーストラリアヒスイ”と商品名をつけられて販売されています。
また、よくこの種の話に登場する“ハーキマーダイヤモンド”。
この名前を見ると、誰でもダイヤモンドの一種だと思ってしまいますが、実は水晶。
はたまた“ギルソンオパール”なんていうのも代表的なもののひとつかもしれません。
あげればキリがありません。
みなさんも週刊誌などの裏表紙に広告が出ていて、“~ダイヤモンド”とか、“~サファイア”なんて名前で販売されているものを一度は見たことがあるのではないでしょうか?
最初にご紹介した合成オパールも、“MexiFire”と“PeruBlu”と名づけられているよう。
オパールとは言っていませんが、ちょっと宝石好きな方であれば、メキシコ産のファイヤーオパール、そしてペルー産のブルーオパールと早とちりしてしまう人もいるのでは?
商品名とは、販売者がその商品をアピールして、より多くの売上を上げるように企画、命名するもの。
そういう意味では、どんな名前をつけようが勝手と言ってしまえばそのとおりかもしれません。
でも、消費者に誤解を与えるような商品名が許されるわけがありません。特に宝石となれば無論のこと。
さすがに宝飾店でこのような商売をしている所、日本国内では無いでしょうが(無いと信じたい)、一部のビーズショップやパワーストーンショップ、そして鉱物ショップでは、こんな販売方法が当たり前のようにまかり通っているところもあるようです。
宝石を購入する際には、美しく彩られた商品名に惑わせられることなく、本来の宝石名、鑑別名を是非ご確認ください。
商品名を買うわけではありませんものね。
今日も良い天気のゴールドコーストです。