昨日はトリプレットオパールについて、お話をさせていただきました。
今日はダブレットオパールです。。。
ご存知のとおり、ダブレットオパールとは、下の写真のとおり、天然オパールとプラスチックなどを貼り合わせて作る加工オパールです。
昨日のトリプレットオパールより多くの部分が天然オパールですので、その分色合いもより天然オパールに近くなり、当然お値段もトリプレットより高価になります。実際、色合いや遊色の美しいダブレットオパールは、中途半端な天然オパールよりも高い値で取引されることもあり、また、オーストラリアの免税店や宝石店などでも数千ドル(数十万円)単位で販売されています。
オークションサイトなどでも、天然としている場合が多く、中には“天然ダブレットオパール”と表示していることもよく見かけます。
ダブレット、要するに2枚貼り加工はなにもオパールだけではなく、その他の色石、カラーストーンでも用いられる方法ですが、もちろん、どんな場合でも“天然”とはなりえません。
トリプレット同様、接着剤を使用して貼り付けてあるわけですから、やはりいつか剥がれてしまいます。そんな永続性のないものを天然宝石と呼べないことは昨日お話したとおりです。
天然のオパールに貼り付け、裏打ちする素材は、最近では上の写真のように、より天然オパールに近づけるため、天然のポッチ(ブラックオパール原石の黒い部分)や鉄鉱石を使用するのが普通になりつつあります。写真左側が鉄鉱石を使用してボルダーオパールを真似たもの、右がポッチを利用してブラックオパールを真似たものです。
こういうお話をさせていただいていると、「天然のブラックオパールだって、ボルダーオパールだって、裏に原石が付いているんだから、考えるとダブレットじゃない?」、なんてご指摘をいただくことがあります。
裏側に宝石質以外のものが付着していると言う意味でとらえるのであれば、おっしゃるとおり、天然のブラックオパールもボルダーオパールもダブレット的かもしれません。ですが、忘れないでいただきたいのは、天然のブラックオパールもボルダーオパールも、接着剤を使って人の手で貼ったモノではないということ。自然が数百万年もの長い年月をかけて組み合わせたものだということ。つまり、天然ブラックオパールやボルダーオパールは、ダブレットオパールのように剥がれてしまうということがないこと。
そして、ここ5年くらいの間に増えてきたものが上の写真。
見分け方のひとつの方法として、「横から見て、上下の間のライン(境目)がまっすぐなものはダブレット」を逆手にとった、より巧妙なダブレットオパール。拡大してみると、、、
境目部分が直線にならないように、オパールを凹凸に研磨し、裏打ち素材との隙間を黒い接着剤を厚めに使用することで境目を波打たせている、まさしく確信的イミテーション。巧妙なものは、ルーペを使わない限り、見分けられないものも。
この手のものは、まだ日本にはあまり出回っていないようですが、それにしても注意が必要!
こんなダブレットオパール。もしベゼルセッティングのように、石のまわりをぐるっと囲む方法で留められていたら、、、、
まず、一般の宝石屋さんにも見分けることは不可能です。
以前、こんな事もありました。
ジュエリーを鑑別する人、判断するプロフェッショナルにとっても・・・・・
私のお伝えできることは、
「どうぞ、十分お気をつけ下さい。」
それだけです。
張り合わせオパールや人工オパール、そしてそれらの見分け方をもっと知りたい方は、コチラもご覧ください。
久しぶりに雨のゴールドコーストです。