染まったエチオピアオパールは元に戻るのか?
ホンノリ染まったエチオピア産オパールを水道水に入れ、食紅の赤が抜けるかどうか見てみましょう。
水に浸けて15分ほどすると、オパールの周りに気泡が付き始めました。
そのまま1時間放置します。
オパールから赤い成分が、まるで霧のように漂い始めます。
さらに3時間後、
オパールの周りの気泡が大きくなってきました。
水が赤色になった分、オパール自体の色は、間違いなく抜けています。
これは予想より早い展開です。さて、どこまで色は回復するのか?
このままの状態で、2日ほど放置してみます。
< ----- 2日経過 ----- >
2日間水に浸けられたエチオピア産オパール。こんな状態になりました。
もう泡も見られず、水分を十分吸収したのでしょう。
取り出して重さを量ってみると、8.4ct、もうお腹一杯のようです。
肝心の色合いは、
2日前に比べて少し透明になっています。
特に強く染まっていた内包物周辺の色も抜け、全体的に赤というよりは薄っすらピンクに。
左が2日前、右が2日後の状態。
色の付き具合が、元の状態の時に透明度が高く、遊色が綺麗に見えた部分のほうが良く染まっているのがわかります。
見た目の美しいオパール、遊色の綺麗なオパールは、遊色を示さないオパールに比べ、内部の構造が均一で整っていることが条件です(詳しくは“オパールの色の秘密”をご覧ください)。
この内部構造の違いが、こうした染まり具合のバラつきと関係しているのかもしれません。
結果的に、2日間で食紅の色合いは抜けませんでした。
もっと長期間水に浸けておくことで抜ける可能性はありますが、この色合いを見る限り、染まってしまったものを全部抜くのは、なかなかたいへんそうです。
まったく染まることのなかったオーストラリア産のオパール。対して、ご覧のように染まってしまったエチオピア産オパール。
エチオピア産のようなハイドロフェンという性質を持つオパールの取り扱いには、十分に注意しなければいけないことがわかりました。
その後、いったん水から出して、1日置いたのが下の写真。
なんとも美味しそうな色合い! 千歳飴色!
斑の色合いも赤っぽくなり、このオパール本来の状態より綺麗に、可愛くなったような気がします。
左が元の状態で、右が染まった後の色合い。
それぞれの斑がハッキリと、そして大きくなったように感じます。
10分という短時間で、ここまで色合いを変えてしまうエチオピア産オパール。
ある意味感動です
さて、このオパールを使って、まだまだ実験は続きます。
※この実験はブログからの転載です。よりくわしい詳細はブログ記事『オレ好みに染めてやる!!!』をご覧になってください。参考実験 : 『オパールを超音波洗浄してみました。。。』もどうぞ。