前のページで、オパールはなぜ色が出るのか、そして、なぜひとつひとつが違った色合いを持っているのかをご紹介しました。ここでは、その遊色効果の代表的なパターンをご紹介したいと思います。また日本語でこの色の出方を"斑(ふ)"と呼びます。
フラッシュとは"閃光(せんこう)"とでもいった意味でしょうか。あのカメラのフラッシュと同じ意味です。これは、オパールを手に持って動かした時、ある角度でとても鮮烈な色が表れるタイプの遊色効果を表現しています。なかなか静止画で皆さんにはご納得いただけないかもしれませんが、この写真のオパールは、ある角度から見ると、このようにとても鮮やかな緑の発色を見せます。しかし、それ以外の角度では、まったく色が見えません。その表情の変化は、とてもドラマチックで、このタイプのオパールは特に指輪にしますと、手の動きにつれ、たいへん人目を引くものとなります。
上のフラッシュパターンの中で、発色の仕方が、まるで猫の目のように細く、オパールを動かした時に、その動きに付いてくるようなタイプがあり、これを“ローリングフラッシュ”と呼びます。オパールを動かすことにより、たいへん強烈な帯となって遊色が表現されるパターンです。その中でその帯が細くシャープに、直線に近い形で表現されるものは"キャッツアイ(Cat's Eye)"と呼ばれ、とても希少価値が高くなります。
色の帯が、リボンのようにオパールを何本も横切っているパターンをこう呼びます。とても珍しいパターンで、特にそれぞれの帯が異なった色で表現されるものは、非常に希少価値が高く、ブラックオパールの中でも特に高値で取引をされています。この写真のオパールは、赤・緑・黄色が、それぞれ帯状になって現われる、たいへん華やかな表情を持ったブラックオパールです。
それぞれの斑が、まるでピンで突いたように小さな点で現れることからこう呼ばれています。斑の明るい、発色のバランスの良いものは華やかな美しさを見せてくれます。
画家の使うパレットのように、様々な色が、ある程度のサイズでちりばめられているたいへん美しいパターンです。
チャイニーズライティングとは、いわゆる『漢字』のことです。たくさんの直線が色々な方向に交差して現れる様子が、西洋の人達にはエキゾティックな東洋の漢字に見えるようです。このパターンはたいへん珍しく、コレクターアイテムです。
ストローとは麦わらのことで、様々な色合いの太目の斑が麦わらを重ね、交差させているように現れるパターンを呼びます。表情のはっきりした、とても美しいパターンです。
深い地色に、もみ殻のような色合いが表現される、たいへん珍しく美しいパターンです。
ハーレクインとは"まだら"という意味で、中世に道化(ピエロ)が着ていた服の模様をも表しています。様々なパターンのなかでもっとも美しく、また希少価値の高い斑の現れ方と言われています。現在ではほとんど見ることの出来ないパターンで、上の写真も石面全体がハーレクインではなく、上半分にこの貴重な模様を見ることができます。
ここでは、ほんの一例しかご紹介できませんでしたが、全て決まったパターンがあるわけではありません。オパールひとつひとつが個性的ですから、100個のオパールがあれば、100種類のカラーパターンが存在します。皆さんがご自分のオパールから連想されるイメージが、その石のカラーパターンになるのです。