上 級 編 (番外編)

ライトニングリッジを救え

現在のオパール採掘状況

年々採掘量が激減しているといわれていますオーストラリア産オパール。でも実際のところはどうなのか、最新の状況(2010年10月現在)と今後の予測をお伝えします。

※ 2013年追記

【ブラックオパール】

最も採掘量が少ないといわれ続けてきましたブラックオパールですが、ここ数年ますます困難な状況が続いています。その理由としてふたつのポイントがあげられます。

先ず、ライトニングリッジ以外に新しい鉱区も見つからず、絶対的な埋蔵量が尽きかけている事です。ライトニングリッジ地区の様々なエリアで新しい鉱脈の探索が行なわれてはいますが、成果はあがっていないのが現状です。このまま新しい鉱脈あるいは鉱区が見つからない限り、ブラックオパールは本当に採り尽くされてしまうのかもしれません。

次に、採掘を行なうマイナーの数が減っている事も大きな原因です。
オーストラリア政府の環境対策や安全対策に伴う様々な規制が増えた事で、マイナー達に様々な資格の取得が義務付けられ、これまでは文字通り『身体ひとつで』採掘作業が出来たことに比べ、その事務手続きや費用が増加したため採掘に対する意欲を失ってしまっているマイナーが増えています。実際、これまでは海外(オーストラリア以外)から移住してきた人々が、あまり元手もかからず、当たれば大きな収入が見込めるということでブラックオパール採掘に係わるようになり、大きな原動力になっていました。ところが、現在では、採掘を開始するまでの資格取得や手続きに伴う煩雑さ、そして費用がこうした新規参入者の足かせとなっている事に加えて、採掘量の減少から小規模な採掘では経費的に合わなくなってきていることが、これまで採掘を支えてきたマイナーの撤退という状況も招いてしまっています。
こうした採掘を取り巻く状況は今後も続くと思われますので、マイナーの世界でも淘汰が避けられないと思われます。

採掘する人手も、その量も減ってしまっている状況、悪循環なこの状況は、新しい鉱区が見つからない限り続くと思いますので、ブラックオパールはますます希少な宝石になっていくと同時に、いっそう目にする事も難しいものになっていくと思います。

2013年追記 ; 政府の規制は益々厳しさを増し、それに伴い増大する経費の影響でブラックオパール採掘を断念するマイナーが増えています。原石価格もここ2年ほどの間に急騰し、今後ブラックオパールの価格がこれまで以上に高騰することは避けられない事実になりつつあります。

【ボルダーオパール】

ブラックオパールと比べボルダーオパールはその採掘地、鉱区も多く、採掘量は多少減ってはいますが激減というところまでは及んでいないようです。しかし、ブラックオパールの価格高騰の影響で、これまでブラックオパールしか扱わなかった、あるいはブラックオパールの付録としか考えていなかった各国の業者が、ボルダーオパールに注目し始めています。ブラックオパールに比べ大きなサイズが、より安価で入手できることもあり、ボルダーオパールの需要は急激に増加しています。そのためこうした需要に供給が追いつかず、上質のもの(母岩が宝石面に表出していないような、いわゆる『クリーンフェイス』)はここ1年ほど価格が急激に上昇している状況です。また、日本国内でも宝飾品デザイナーの増加で、これまで既製の枠にセッティングしたジュエリーがほとんどであったものが、より自由なデザイン、より個性的なデザインを受け入れる市場の拡大で、ボルダーオパールの需要は伸びています。

上質のボルダーオパールはブラックオパールと同様にたいへん希少なものとなりつつあります。特にペンダントやブローチ、帯留めなど、サイズの大きなクリーンフェイスは入手のたいへん困難な宝石のひとつです。

2013年追記 ; 上質のボルダーオパールの価格は依然高騰しています。特に赤系の価格上昇が激しくなっています。一方、ボルダーオパールの採掘エリア周辺で計画されているガス輸送の為のパイプライン敷設工事が本格的に始まることで、新たな鉱区が発見されるのではとの期待も高まりつつありますが、まだ現実的な段階ではありません。ブラックオパール同様、しばらくは価格の上昇は続くものと思われます

【 ま と め 】

ブラックオパール、ボルダーオパールともにその希少性はますます高くなっています。特に上質のものは価格高騰が激しく、アメリカなどでは投機の対象としてのオパールが人気を集めています。ブラックオパールは一般に毎年10~20%価格が上昇しているといわれ続けてきました。しかし、現在の状況を見ますと、今後この数字はより大きなものにならざるおえないようです。

弊社Gemstory Pty Ltdではこうした状況の中、マイナーたちとの連携、協力を大きな武器とし、ますます希少なこうしたオパールを出来る限りお手頃なお値段でご提供できるよう努力しています。 皆さんのお好みに合ったオパールを見つけたら、ぜひ今のうちにご自分のものとしておいて下さい。いつの日かブラックオパール、ボルダーオパールがまったく手の届かない宝石になってしまう前に。

ブラックオパールリング

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